給料・待遇

介護職の給料の実際|平均・手取り・施設タイプ別の傾向と、給料を上げる方法

公開: 2026年7月16日 ・ 更新: 2026年7月17日 / 編集: 介護のしるべ編集部

「こんなに大変な仕事なのに、どうしてお給料はこれだけなんだろう」——明細を見てため息が出た夜が、きっとあなたにもあると思います。人の命と暮らしを支え、腰を痛めながら、夜勤で眠い目をこすりながら働いているのに、数字がそれに見合っていない。そう感じるのは、決してあなたのわがままではありません。

まっ先にお伝えしたいのは、**「給料が安いと感じるのは、あなたの努力が足りないからではない」**ということです。そこには、介護という仕事のお金の流れ(あとでやさしく説明します)にまつわる、はっきりした構造の理由があります。そして「介護職の給料」は、実は「平均◯円」という一つの数字では語れません。同じ介護職でも、施設タイプ・勤続年数・資格・夜勤の入り方で、収入は驚くほど散らばっています。

この記事では、介護職の給料を、国の公的なデータで「平均」と「分布」の両方から見ていきます。そのうえで、施設タイプ・勤続年数・資格による差、なぜ低めに感じるのかという仕組み、処遇改善の「制度」と「実感」のずれ、そして今より給料を上げる方法までを整理しました。最後には、求人票と給与明細から「給料の中身」を確かめるチェックリストもお渡しします。読み終わるころには、「じゃあ、次に何をすればいいか」が少し見えてくるはずです。

まず結論:介護の給料は「1つの平均」では語れない

こまかい数字に入る前に、いちばん大切な要点を3つ、先にお伝えします。

  • 全産業と同じ物差しで比べると、平均は月約7.3〜7.8万円低い。 ただし年齢や勤続年数をそろえた比較ではなく、「あなたが必ずこの差になる」という意味ではありません。
  • 「平均いくら」より「分布」で見る。 同じ介護職でも、年収300万円未満の人が半数を占める一方で500万円以上の人もいます。施設タイプ・勤続・資格・夜勤で、収入は大きく変わります。
  • 給料を変えたいときは、給料の「中身」を分けて確認する。 基本給・各種手当・夜勤手当・処遇改善分・賞与の算定方法を分解すると、今の職場で調整できることと、転職時に比べることが見えてきます。

たとえるなら、給料は「決められた定価」ではなく、いくつかの部品を組み合わせて決まる「積み木」のようなものです。どの部品がどれだけ載っているかを知れば、あなたの手で積み上げていけます。まずは、その部品を一つずつ見ていきましょう。

介護職の給料は「平均いくら」か——2つの公的調査で見る

「なんとなく安い気がする」で止めず、まず正確な数字を知ることが、対策の第一歩です。介護の給料を語るときに使われる公的な調査は、大きく2つあります。**この2つは定義が違うので、直接は比べられません。**分けて見ていきましょう。

(1)全産業と同じ物差しで比べる——賃金構造基本統計調査

まず、いろいろな職種を同じ定義で比べられるのが、厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」です。一般労働者・企業規模10人以上の所定内給与額(残業代や賞与を含まない、決まって支払われる給与)を見ると、全職種平均が34万600円、福祉施設などの介護職員が26万2,900円、訪問介護従事者が26万7,300円です。単純比較の差は月約7.3〜7.8万円になります。

この月額差を単純に12か月分にすると約88〜93万円で(賞与の差は含みません)、決して小さくない金額です。一方で、これは年齢・勤続年数・性別構成などが異なる集団の平均であり、同じ条件の人を比べた差ではありません。「介護職だから必ずこの差になる」わけではない、と覚えておいてください。

(2)介護の中の平均を見る——介護従事者処遇状況等調査

もう一つが、介護の職場だけを対象にした厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」です。この調査では、月給・常勤の介護職員の平均給与額は全体で338,200円でした(前年同月比で約14,000円の増加)。

ここで大事なのが定義です。この金額は、基本給に手当と一時金(賞与など)を月額に換算して加えたもので、**求人票の「月給」や初任給とは同じ定義ではありません。**また、介護職員等処遇改善加算を取得する事業所を集計した数字です。先ほどの賃金構造基本統計調査の「所定内給与」とは、含むものも対象も違うため、**この2つの数字を並べて「どちらが本当か」と比べても意味がありません。**それぞれ「何を測った数字か」を分けて受け取ってください。

「平均」より「分布」で見る——同じ介護職でも収入はここまで散らばる

平均の数字を見て「自分はこれより低い」と落ち込む前に、知っておいてほしいことがあります。それは、介護職の収入は一点に集まっているのではなく、広く散らばっているということです。

株式会社マイナビが運営する人材紹介サービス「マイナビ介護職」の『介護職白書 2024年度版』(調査時期:2024年11月7日〜12月3日・登録会員976人が回答)によると、介護職の年収は回答者全体で300万円未満が52.4%、**450万円未満までで92.6%を占めます。その一方で、正社員に限れば500万円以上も4.4%**います。つまり「介護職の平均は◯円」という一つの数字より、この散らばりのほうが実態に近いのです。転職サービスの登録会員への調査という偏りはありますが、示唆ははっきりしています。

散らばりの「幅」は、当事者の実額を見るとよく分かります。たとえば、特別養護老人ホームで働く介護福祉士(17年目・40代)は、自身の給与明細を公開したブログで**「昨年、2025年の年収は5,214,098円です」**と記し、夜勤手当や資格手当、賞与が手厚い職場を選んだことを収入アップの理由に挙げています(当事者のブログより。以下も同じく当事者の声で、金額は個別の実例です)。長く続けて職場を選べば、500万円台という「上振れ」も現実にあるわけです。

一方で、下振れの声もあります。福祉職16年・ケアマネジャー歴約10年の主任ケアマネジャー(アラフォー)は、提示された基本給について**「それで18万円。(中略)正直、生活保護レベルだと思います」**とnoteに綴っています。専門職として経験を重ねても待遇が伸び悩む現実が、この言葉ににじんでいます。

大切なのは、ネット上の平均値と自分を比べて一喜一憂しないことです。平均より低く見えたとしても、それはあなたの働きが足りないからではなく、施設タイプ・勤続・資格・夜勤・雇用形態の差が、そのまま数字に出ているだけです。ちなみに、Xでは介護福祉士の方が**「15歳からお年玉貯金して」現金一括でマイホームを買い、「何が介護士は底辺だ!介護士舐めんな!」と投稿し、同業から祝福が集まりました(Togetterのまとめより。拡散した投稿には極端な例も含まれる点は割り引いてください)。比べて意味があるのは「他人の平均」ではなく、「去年の自分の明細」と「今の自分の明細」**です。

「額面」と「手取り」は別物

収入の話でもう一つ混乱しやすいのが、「額面(がくめん)」と「手取り」の違いです。ここを分けておくと、あとの話が読みやすくなります。

  • 額面:給料の総支給額。求人票に「月給25万円」と書いてあるのは、たいていこの額面です。
  • 手取り:額面から税金(所得税・住民税)と社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険など)を引いた、実際に口座に振り込まれる金額です。

手取りは、年齢・前年の所得・扶養している家族の有無・住んでいる自治体などで変わるため、**額面に一律の割合を掛けて正確には計算できません。**在職中なら給与明細の控除欄を、入職前なら雇用条件を確認するのが確実です。なお、引かれている社会保険料は、将来の年金や、病気・失業のときの備えでもあります。「損」ではなく、いざというときのための積み立てという一面もある、と考えておいてください。額面から手取りになるまでの仕組みや、給料明細の読み方をもっとくわしく知りたい方は、介護職の手取りと給料明細の見方のページで一つずつ解説しています。

施設タイプ・勤続年数・資格で、給料はこう変わる

「散らばる」と言っても、何によって差がつくのかが分かれば、対策が立てられます。ここでは、令和6年度介護従事者処遇状況等調査の公的数値を使って、差の「作られ方」を3つの角度から見ます。

大切な前提:以下はいずれも、処遇改善加算を取得する対象事業所における、月給・常勤の介護職員の平均給与額です。基本給(月額)に手当・一時金(賞与などは4〜9月の支給額の6分の1を月額換算)を加えた額で、求人票の月給・初任給・無資格者だけの金額ではありません。

サービス種別で見る

まず、働くサービスの種類による差です。全体平均338,200円に対して、次のように分かれます。

サービス種別平均給与額
介護老人福祉施設(特養)361,860円
特定施設入居者生活介護(介護付き有料など)361,000円
介護老人保健施設(老健)352,900円
訪問介護349,740円
介護医療院330,030円
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)302,010円
通所介護(デイサービス)294,440円

最も高い区分と低い区分で月6万円ほどの差がありますが、この差は各サービスの職員構成(年齢・勤続・夜勤回数・役割)の違いも映しています。身体負担が重いサービスなら必ず高い、という単純な関係ではありません。

勤続年数で見る

同じ調査では、勤続年数による差も出ています。月給・常勤の平均給与額は、勤続2年未満が298,760円、勤続10年以上が359,040円で、その差は月6万円ほど。長く続けるほど平均は上がる傾向がありますが、これも自動的に一律で上がるわけではなく、職場の昇給の仕組みによります。

資格の有無で見る

資格による差も同様です。平均給与額は、保有資格なしが290,620円、介護職員初任者研修が324,830円、介護福祉士が350,050円でした。無資格と介護福祉士では月6万円ほどの開きがあります。ただし、これは年齢・勤続・役割・夜勤回数をそろえた比較ではないため、「資格を取れば、この差額と同じだけ必ず上がる」という意味ではありません。自分の職場では資格手当がいくらで、基本給の区分がどう変わるのかを確認することが出発点です。

なぜ介護の給料は「低めに感じる」のか

数字を見たうえで、次に大事なのが「なぜそうなっているのか」という仕組みの理解です。理由が分かると、「自分のせいではない」と腑に落ち、対策も立てやすくなります。大きく3つの構造があります。

給料の原資が「介護報酬」で決まっているから

介護施設の収入の多くは、介護報酬(かいごほうしゅう)——利用者が介護サービスを使ったときに、介護保険から事業所に支払われるお金——でできています。この単価は国が制度で決めていて、施設が自由に「うちは高くしよう」と値上げできる仕組みではありません。一般の会社なら良い商品を高く売れば給料に回せますが、介護は収入の上限が制度で決まる部分が大きいため、**質を上げても収入が青天井に増えるわけではない。**これはあなたや職場の努力不足ではなく、制度の構造の話です。

人手不足で、一人あたりの負担が重いから

介護の現場は、全国的に人手が足りていません。仕事を探している人1人に対して何件の求人があるかを示す「有効求人倍率」は、介護分野が全産業平均を大きく上回る水準が続いています。人が足りないと一人あたりの担当が増え、休憩も取りにくくなります。「これだけの負担なのに、給料はこれだけ」と感じる背景には、この負担の重さと給料のギャップがあります。仕事量に対して割に合わないと感じるのは、自然なことなのです。

「やりがい」を理由に、待遇が後回しにされやすいから

「利用者さんのため」「やりがいのある仕事でしょう」——そう言われて、低い給料を我慢していませんか。やりがいは大切なものですが、それを口実に正当な待遇が後回しにされてよいわけではありません。手取り20万円未満で働くケアマネジャー(30代)は、**「やりがい搾取にも程がある」「国や制度の理不尽さを嘆いていても、僕たちの手取りが明日25万円になることはありません」**とnoteに書いています(当事者の声)。まじめな人ほど、待遇を主張することに引け目を感じがちです。でも、正当な対価を求めるのは、働く人として当然の権利です。

処遇改善の「制度」と「実感」——明細のどこに載るか

給料の話で欠かせないのが、処遇改善加算です。ここは制度の説明と、現場の実感のあいだに距離が生まれやすい部分なので、丁寧に見ていきます。

処遇改善加算は、国が「介護で働く人の給料を上げるため」に事業所へお金を上乗せする仕組みです。2024年6月に、従来の3つの加算(処遇改善加算・特定処遇改善加算・ベースアップ等支援加算)が「介護職員等処遇改善加算」へ一本化されました(厚生労働省の資料では、さらに先の拡充も予定されています)。このお金が手当や基本給として職員に配られたものが、いわゆる処遇改善手当です。

ただし、大事なのは事業所が加算を取得しているかだけでなく、自分の賃金にどの形で反映されるかです。配分方法(基本給・毎月の手当・一時金など)は事業所の賃金改善計画によって決まるため、明細では「処遇改善手当」という独立項目で載ることもあれば、基本給や一時金に含まれて見えにくいこともあります。マイナビ介護職の『介護職白書 2024年度版』(株式会社マイナビ/マイナビ介護職・調査時期:2024年11月7日〜12月3日)でも、直近で処遇改善(賃上げ)の対応があったと答えた職員は60.3%で、体感には個人差があります。

実際、制度としての賃上げと手元の実感には距離があります。手取り約25万円の訪問介護職(社会福祉士)が、政府の言う賃上げで給料がいくら増えるのかを自身の給与明細で検証したnote記事では、**「自分の給料明細を見ると、正直あまり変わった気がしない」「また給料上がる詐欺じゃないの?」「生活が劇的に変わる金額ではないけれど、まったく変わらないわけでもない微妙なライン」**と率直な実感が綴られています(当事者の声)。だからこそ、報道の「賃上げ」を眺めて終わりにせず、自分の明細のどの項目に、いくら載っているのかを自分の目で確かめることに意味があります。見つからなければ、事務担当に「処遇改善分はどの項目で支給されていますか」と聞いてかまいません。加算を受け取る事業所には賃金改善の内容を職員へ周知することが求められているため、確認すること自体は問題ありません。処遇改善のしくみは処遇改善加算とはのページでさらにくわしく解説しています。

今より給料を上げる、5つの方法

構造が分かったところで、「では、今より上げるには」を具体的に見ていきましょう。介護の給料は、次の5つの方法で上げていけます。一つずつ、あるいは組み合わせて取り組めます。

方法1:資格を取り、基本給と賞与の「本体」を確認する

資格取得を考えるときは、学べる内容や担える業務と一緒に、いまの職場が給与にどう反映するかを確認しましょう。初任者研修→実務者研修→介護福祉士と進むほど、平均給与額は上がる傾向があります(前述のとおり、無資格と介護福祉士で月6万円ほどの差)。ただし取得だけで一定額が自動的に上がる全国共通の仕組みではありません。あわせて見たいのが基本給です。特別養護老人ホームで夏のボーナス(総支給197,977円・手取り160,526円)を公開した50代の介護職員(勤続12年)は、**「基本給が上がらなければボーナスも上がらない」**とブログで指摘しています(当事者の声)。手当込みの月給だけでなく、賞与や昇給の土台になる基本給がいくらかを、必ず確かめてください。

方法2:夜勤を活かす(体との相談つきで)

入居して暮らす施設(特別養護老人ホームなど)では夜勤があり、夜勤手当が収入の柱になりやすいです。前述の年収521万円の介護福祉士も、夜勤手当が手厚い職場を選んだことを収入アップの要因に挙げていました。ただし、夜勤は生活リズムが乱れやすく、体力の負担も大きい働き方です。「稼げるからたくさん入る」と無理をすると体を壊しかねません。収入と体の負担のバランスを見て、自分に合った回数を選ぶことが大切です。夜勤手当の相場は介護の手当いろいろでも整理しています。

方法3:処遇改善加算の配分方法を確認する

前の章で見たとおり、処遇改善のお金は、職員への配分方法を職場ごとに決める仕組みです。配分が手厚い職場ほど、手取りにも反映されやすくなります。いまの職場では明細のどの項目にいくら載っているかを確かめ、転職を考えるときは求人や面接で「処遇改善分は毎月ですか、一時金ですか。どの項目で支給されますか」と確認する——この一手間が、給料を着実に増やすうえで効いてきます。

方法4:施設タイプを選ぶ

同じ介護職でも、働くサービス種別で公的調査の平均は異なります(前掲の表)。ただし、その差には勤続年数・資格・役割・夜勤・法人の賃金表などが関わります。給料のためにサービス種別を変えるときも、全国平均だけで決めず、応募候補の基本給・手当・賞与・夜勤回数と一緒に、体調や生活に合う働き方かを比べましょう。施設タイプ別の「働き方」を比べるページでは、夜勤や業務内容も横に並べて確認できます。

方法5:転職する

ここまでの方法を確認しても、いまの職場で希望する条件を実現するのが難しいなら、転職も正当な選択肢です。基本給・資格手当・夜勤手当・処遇改善分・賞与の算定方法を同じ条件で並べると、転職による年間の見込額の違いを比べられます。ただし、給料だけで飛びつくのは禁物です。給料が高くても、人手が少なく負担が極端に重い職場もあります。焦らず、まずは情報を集めることから始めてください。年収を軸にした考え方は介護職で年収を上げるにはにまとめています。

求人票と給与明細の「見方」チェックリスト

最後に、この記事でいちばん持ち帰ってほしいものをお渡しします。給料は「積み木」だとお伝えしました。その積み木の中身を、いまの職場でも、転職の候補先でも、同じ物差しで確かめるためのチェックリストです。求人票の「月給◯円」という一つの数字に惑わされず、次の5点を分けて見てください。

  1. 基本給:月給のうち基本給はいくらか。賞与や昇給の土台になる「本体」を確認する
  2. 各種手当:資格・住宅・通勤など、どの手当がいくら付いているか
  3. 夜勤手当:1回あたりの金額と、月の想定回数。月給例が何回分を前提にしているか
  4. 処遇改善分:毎月の手当か一時金か。明細のどの項目に載るか
  5. 賞与:前年度の実績、算定期間、算定に使う基礎額(基本給のみか手当も含むか)

この5点を、いまの明細と求人票で書き出して並べるだけで、「同じ月給25万円」でも中身がまるで違うことが見えてきます。たとえば「基本給20万円+手当5万円」と「基本給16万円+手当9万円」では、賞与や昇給の伸び方が変わります。すべてを一度に変える必要はありません。体調や家庭の事情で夜勤を増やせないなら、資格支援・基本給・賞与・処遇改善の配分など、夜勤以外の条件から比べればいい。今の自分に無理のない一手から始めてください。求人ではなく、地域の施設・職場の基本情報だけを中立に調べたいときは、施設・職場の基本情報を地域から調べるページも使えます。

まとめ:給料は、あなたの手で積み上げていける

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 全産業と同じ物差しの令和7年賃金構造基本統計調査では、所定内給与額の単純比較に月約7.3〜7.8万円の差がある。ただし条件をそろえた比較ではない。
  • 介護の平均給与額は令和6年度調査で全体338,200円だが、「平均いくら」より分布で見るのが実態に近い(年収300万円未満が52.4%、500万円以上も一定数)。
  • 給料の差は、施設タイプ・勤続年数・資格で作られる(それぞれ月6万円ほどの開き)。ただし条件をそろえた比較ではない。
  • 給料が低めに感じるのは、介護報酬・人手不足・やりがい搾取といった構造の理由。あなたのせいではない。
  • 給料を上げるには、給料の中身(基本給・手当・夜勤・処遇改善の配分・賞与)を同じ物差しで確認する。

介護の現場は、あなたのやさしさと踏ん張りに支えられています。だからこそ、その働きに見合った対価を求めることを、どうか遠慮しないでください。平均の数字と自分を比べて落ち込む必要はありません。比べるべきは「他人の平均」ではなく「去年の自分の明細」です。

まずは、次の給料日に自分の明細を開いて、基本給・手当・処遇改善分がいくらか書き出してみる——今日できる、いちばん小さな一歩から始めてみませんか。額面と手取りの違いをもっと知りたくなったら介護職の手取りと給料明細の見方を、手当のことは介護の手当いろいろを、あわせて読んでみてくださいね。あなたのがんばりが、ちゃんと報われますように。

よくある質問

介護職の給料は本当に安いのですか?

全産業と同じ物差しで比べると、平均は低めに出ます。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査(一般労働者・企業規模10人以上)の所定内給与額は、全職種平均34万600円に対し、福祉施設などの介護職員26万2,900円、訪問介護従事者26万7,300円で、単純比較の差は月約7.3〜7.8万円です。ただし年齢や勤続年数などの構成が異なる集団の平均で、同じ条件の人同士の賃金差とは限りません。資格・夜勤・施設タイプ・勤続年数でも額は大きく変わります。

介護職の平均給与額はいくらですか?

厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、月給・常勤の介護職員の平均給与額は全体で338,200円でした(介護職員等処遇改善加算を取得する事業所の集計。基本給に手当・一時金を月額換算で加えた額で、求人票の月給や初任給とは定義が異なります)。ただし「平均いくら」より分布で見るほうが実態に近く、マイナビ介護職の調査では年収300万円未満が52.4%を占める一方で500万円以上も一定数おり、収入は大きく散らばっています。

施設タイプ(サービス種別)で給料はどれくらい違いますか?

令和6年度介護従事者処遇状況等調査の平均給与額(月給・常勤)は、介護老人福祉施設(特養)361,860円、特定施設361,000円、介護老人保健施設(老健)352,900円、訪問介護349,740円、介護医療院330,030円、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)302,010円、通所介護(デイサービス)294,440円で、最も高い区分と低い区分で月6万円ほどの差があります。ただし各サービスは職員の年齢・勤続・夜勤回数などの構成が違うため、差の原因を身体負担だけに求めることはできません。

処遇改善手当(介護職員等処遇改善加算)は必ずもらえますか?

事業所が加算を取得していても、個人に同じ額の手当が必ず支給されるとは限りません。処遇改善加算は2024年6月に従来の3つの加算が「介護職員等処遇改善加算」へ一本化された制度で、職員への配分方法(基本給・毎月の手当・一時金など)は事業所の賃金改善計画によって決まります。自分の明細のどの項目に載っているかは、事務担当や上司に確認してかまいません。

未経験・無資格でも、給料は上がっていきますか?

自動的に上がるとは限りませんが、資格取得や勤続で平均は上がる傾向があります。令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、月給・常勤の平均給与額は保有資格なし290,620円に対し介護福祉士350,050円、勤続2年未満298,760円に対し勤続10年以上359,040円でした。ただし年齢や役割などをそろえた比較ではなく、資格を取れば同額が上がるという意味ではありません。自分の職場の資格手当や昇給の条件を確認しましょう。

給料を上げたいなら、転職したほうがいいですか?

転職は選択肢の一つですが、まず今の職場でできる確認があります。資格手当・夜勤手当・処遇改善分の配分・基本給と賞与の算定方法を分けて見ると、今の職場で調整できることと、転職で比べるべきことが見えてきます。転職する場合も、求人票の「月給」だけでなく、基本給・手当の内訳・夜勤回数・賞与実績を候補先どうし同じ条件で並べて比べてください。給料だけで飛びつかず、負担や体調との相性も一緒に見ましょう。

出典


本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、正確性・最新性を保証するものではありません。 制度や施設の状況は変わることがあります。実際のご判断の前には、各施設・公式情報や公的機関でご確認ください。

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