資格・キャリア
ホームヘルパー2級・1級は今どうなったか|現行資格への読み替えと求人票の見方
内容確認: 2026年7月27日 ・ 次回確認期限: 2027年4月30日 ・ 編集部確認済み
引き出しの奥から、色あせた修了証が出てきた。「訪問介護員養成研修 2級課程」と書いてある。子育てが一段落したタイミングで取ったきり、結局そのまま働かずに10年以上が過ぎてしまった——そういう方が、介護の求人を見はじめて最初にぶつかるのが「この資格、まだ使えるのだろうか」という疑問だと思います。
あるいは逆に、現役で働いている方が「自分は1級だから実務者研修はいらないはず」と思っていて、いざ介護福祉士を受けようとしたら要件が違った、というつまずき方もあります。
先に答えを書きます。ホームヘルパー2級も1級も、いまは介護職員初任者研修を修了しているのと同じ扱いです。取り直す必要はありません。 ただし、3級だけは扱いが違います。 そして、1級を持っていても実務者研修は免除されません。
制度の名前が変わったのは2013年(平成25年)のことで、もう10年以上が経っています。そのあいだに新しい研修も加わり、求人票には古い名前と新しい名前が混在したまま並んでいる。分かりにくくて当然です。この記事では、厚生労働省の通知に書かれている読み替えのルールをそのまま確認し、保有資格別の早見表と、求人票の読み方を整理します。
まず結論:2級も1級も、いまは初任者研修と同じ扱いです

- 2級・1級・介護職員基礎研修は、初任者研修の修了要件を満たします。 通知が「すべて」と書いており、取り直しは不要です。
- 3級はここに含まれません。 初任者研修の一部が免除される扱いにとどまり、訪問介護員の要件そのものは満たしません。
- 1級でも実務者研修は必要です。 介護福祉士を実務経験ルートで受けるなら、あらためて実務者研修の修了が要ります。
古い修了証は捨てないでください。いまも通用する証明書です。
厚生労働省の通知が定めている読み替え

根拠は、厚生労働省老健局振興課長が出している「介護員養成研修の取扱細則について(介護職員初任者研修・生活援助従事者研修関係)」という通知です。平成24年3月28日に出され、直近では令和8年3月31日に一部改正されています。
その中の「訪問介護員の具体的範囲、経過措置規定」という項目に、こう書かれています。
「訪問介護員は、介護保険法施行令第3条第1項各号に掲げる研修の課程のうち、介護保険法施行規則第22条の23に規定された介護職員初任者研修課程を修了し、当該研修を修了した旨の証明書の交付を受けた者とされているが、施行の際、既に介護職員基礎研修課程、訪問介護に関する一級課程及び訪問介護に関する二級課程(以下「旧課程」という。)を修了している者については、すべて介護職員初任者研修の修了の要件を満たしているものとして取扱い、また、施行の際、旧課程を受講中の者であって、施行後に当該研修課程を修了したものについても、すべて介護職員初任者研修の修了の要件を満たしているものとして取扱う。」
ポイントを整理します。
「旧課程」に入るのは3つです。 介護職員基礎研修課程、訪問介護に関する一級課程(=ホームヘルパー1級)、訪問介護に関する二級課程(=ホームヘルパー2級)。この3つが対象で、「すべて」初任者研修の修了要件を満たすと書かれています。
受講中だった人も救われています。 制度が切り替わる時点で受講中で、切り替え後に修了した人も同じ扱いです。制度の変わり目で宙に浮く人が出ないよう手当てされています。
そして注意したいのが、1級も2級も同じ「初任者研修相当」に着地するという点です。1級のほうが上位の課程だったので「1級なら実務者研修相当では」と考えたくなりますが、この通知はそういう書き方をしていません。1級・2級・基礎研修が横並びで初任者研修相当、というのが制度上の整理です。
なお同じ通知には、実務者研修を修了している人については、都道府県の判断で初任者研修課程の全科目を免除できるという規定もあります。実務者研修の内容が初任者研修の科目を包含すると認められるためです。上下関係でいえば、実務者研修のほうが上にある、ということになります。
3級だけ扱いが違う——ここに注意

ここが、この記事でいちばん気をつけて読んでほしいところです。
前のセクションで引用した「旧課程」の定義に、訪問介護に関する三級課程は入っていません。 3級は別扱いです。
では3級はどうなるのか。同じ通知の別の箇所に、こう書かれています。生活援助従事者研修、入門的研修、認知症介護基礎研修、そして訪問介護に関する三級課程を修了している者については、「当該研修における履修科目が、介護職員初任者研修課程において履修すべき科目と一部重複するものと認められるため」、各研修の内容および時間との対照関係も踏まえて、各都道府県の判断により、介護職員初任者研修課程の一部を免除することができる、と。
つまり3級は、初任者研修を修了したことにはなりません。初任者研修を受けるときに、一部の科目が免除されるかもしれないという位置づけです。しかも免除するかどうか、どこまで免除するかは都道府県の判断によります。
3級課程はすでに廃止されており、新しく取ることはできません。手元に3級の修了証がある方が訪問介護で働きたい場合は、あらためて初任者研修を修了する必要があります。ただし一部免除を受けられる可能性があるので、受講の申し込み前に、都道府県または研修事業者に3級の修了証を示して確認してください。 免除があれば、時間も費用も軽くなります。
「2級も3級も昔の資格でしょう」と一括りにされがちですが、制度上の扱いはまったく違います。ここを混同したまま求人に応募すると、入職後に「要件を満たしていなかった」と分かることになりかねません。
保有資格別・いまの扱い早見表

手元の資格から、いまの位置づけを確認できるように整理しました。
ホームヘルパー2級(訪問介護に関する二級課程) → 介護職員初任者研修の修了要件を満たします。訪問介護員として働けます。取り直し不要。
ホームヘルパー1級(訪問介護に関する一級課程) → 同じく初任者研修の修了要件を満たします。ただし実務者研修の代わりにはなりません。
介護職員基礎研修 → 同じく初任者研修の修了要件を満たします。この課程も現在は廃止されています。
ホームヘルパー3級(訪問介護に関する三級課程) → 初任者研修の修了とはみなされません。初任者研修を受講する際、都道府県の判断で一部免除の対象になり得ます。
看護師・准看護師などの資格 → 初任者研修修了の要件を満たしているものとして、訪問介護員の業務に従事できます。ただし訪問介護員として雇用される場合は、診療の補助や療養上の世話としての業務を行うものではない、と通知に明記されています。
実務者研修 → 都道府県の判断で初任者研修課程の全科目が免除され得ます。介護福祉士の実務経験ルートの受験要件でもあります。
生活援助従事者研修 → 生活援助中心型の業務を担えます。身体介護は初任者研修以上が必要です。初任者研修を受ける際は一部免除の対象になり得ます。
自分の証書に書かれている正式名称を確認して、この表と照らしてみてください。「ヘルパー2級」という通称ではなく「訪問介護員養成研修 2級課程」のような形で書かれているはずです。
求人票の「ヘルパー2級以上」をどう読むか

制度が変わって10年以上経つのに、求人票にはいまだに「ホームヘルパー2級以上」という表記が残っています。事業所が古い表現をそのまま使い続けているケースもあれば、応募者に伝わりやすいようあえて併記しているケースもあります。
読み方としては、「ヘルパー2級以上」=「介護職員初任者研修修了以上」と考えて差し支えありません。 制度上、2級修了者と初任者研修修了者は同じ扱いだからです。したがって、
- ヘルパー2級を持っている方 → その求人に応募できます。
- 初任者研修を修了した方 → 「ヘルパー2級以上」の求人に応募できます。
- ヘルパー1級・介護職員基礎研修を持っている方 → 同様に応募できます。
- ヘルパー3級のみの方 → この要件は満たしません。
迷ったときは、応募前に事業所へ問い合わせるのが確実です。「訪問介護員養成研修の2級課程を修了しているのですが、こちらの応募要件を満たしますか」と、正式名称で聞けば話が早く済みます。
もうひとつ、求人票を見るときに確認したいのが、担当する業務が身体介護を含むかどうかです。生活援助中心型の求人であれば生活援助従事者研修でも担えますが、身体介護まで含むなら初任者研修以上が必要になります。募集要項の「業務内容」と「応募資格」は、セットで読んでください。
なお、無資格で応募できる求人もあります。その場合、資格取得支援制度の有無と、修了までのあいだに担当できる業務の範囲を確認しておくと、入職後のずれが減ります。
生活援助従事者研修という59時間の選択肢

比較的新しい選択肢として、生活援助従事者研修があります。あまり知られていませんが、条件によっては現実的な入り口になります。
この研修が創設された経緯は、先ほどの通知に書かれています。平成30年度介護報酬改定に関する審議報告において、訪問介護事業所における更なる人材確保の必要性を踏まえ、「介護福祉士等は身体介護を中心に担うこととし、生活援助中心型については、人材の裾野を広げて担い手を確保しつつ、質を確保するため、現在の訪問介護員の要件である130時間以上の研修は求めないが、生活援助中心型のサービスに必要な知識等に対応した研修を修了した者が担うこととする」とされたことを受けたものです。
修了に必要な時間は59時間(このほかに筆記試験による修了評価が0.5時間程度)。介護職員初任者研修の130時間(同じく筆記試験1時間程度)と比べると、半分以下です。時間も費用も抑えられます。
向いているのは、たとえば次のような方です。まとまった時間を確保しにくいけれど介護の仕事に関わってみたい方。掃除・洗濯・調理といった生活援助を中心に働きたい方。まず短い研修で現場に入り、続けられそうなら初任者研修に進みたい方。
ただし担えるのは生活援助が中心の業務です。食事・入浴・排せつなどの身体介護を担当したいなら、初任者研修以上が必要になります。ここを理解しないまま応募すると、できる仕事の幅が想定と違うことになります。
なお、生活援助従事者研修を修了したあとで初任者研修を受ける場合、履修科目が一部重複するとして、都道府県の判断で初任者研修の一部が免除され得ます。段階的に進む道も用意されている、ということです。
旧資格を持っている人が、次に考えること

ここまでで、手元の資格がいまどう扱われるかは確認できたと思います。最後に、その先の話を少しだけ。
ブランクがあって不安な方へ。 制度上は資格が有効でも、10年ぶりに現場に戻るのは別の話です。実際、介護の技術も記録の方法も、この10年で変わっている部分があります。ただ、それは資格を取り直せば解決することではなく、職場で慣れていくしかない性質のものです。復帰者向けの支援制度を持つ自治体や事業所もあるので、応募前に調べてみる価値はあります。ブランクからの復帰については、別記事でも扱っています。
介護福祉士を目指す方へ。 1級や基礎研修を持っていても、実務経験ルートで国家試験を受けるには実務者研修の修了が必要です。ただし保有資格によって履修科目の一部が免除される仕組みがあり、免除の範囲や受講時間、費用は研修実施者や都道府県の判断で変わります。受講先に自分の修了証を示して、必要な時間と金額を確認してから決めてください。 複数のスクールで条件が違うことも珍しくありません。
まだ働くと決めていない方へ。 資格が有効だと分かったことと、いま働き始めることは別です。修了証は失効しないので、急ぐ必要はありません。求人を眺めてみて、生活援助中心の短時間の仕事から試すのか、しっかり身体介護まで担う職場を探すのか、そのあたりから考えれば十分だと思います。
昔取った資格が「まだ生きている」と分かるだけでも、選択肢が一つ増えたことになります。使うかどうかは、そのあとで決めてください。
よくある質問
昔取ったホームヘルパー2級は、今も使えますか?
使えます。厚生労働省の「介護員養成研修の取扱細則について」は、制度改正の施行時点で介護職員基礎研修課程・訪問介護に関する一級課程・訪問介護に関する二級課程(この3つをまとめて「旧課程」と呼んでいます)を修了している者について、「すべて介護職員初任者研修の修了の要件を満たしているものとして取扱い」と定めています。つまりホームヘルパー2級を持っていれば、いま介護職員初任者研修を修了しているのと同じ扱いになります。取り直す必要はありません。修了証明書は再発行が難しい場合があるため、手元にあるなら大切に保管してください。紛失している場合は、受講した研修事業者か都道府県に相談してみてください。
ホームヘルパー1級は実務者研修と同じ扱いになりますか?
なりません。同じ通知で「旧課程」として扱われるのは介護職員基礎研修課程・一級課程・二級課程の3つで、いずれも介護職員初任者研修の修了要件を満たすものとされています。1級だからといって実務者研修の修了と同等になるわけではありません。したがって、働きながら介護福祉士の国家試験を実務経験ルートで受けるには、1級を持っている方も実務者研修を修了する必要があります。ただし保有資格に応じて履修科目の一部が免除される仕組みがあり、免除の範囲や受講時間は研修実施者や都道府県の判断によって異なります。受講先に自分の資格を伝えて、必要な時間と費用を確認してください。
ホームヘルパー3級はどうなりますか?
3級は扱いが異なります。同じ通知で「旧課程」としてまとめられているのは介護職員基礎研修課程・一級課程・二級課程の3つで、訪問介護に関する三級課程はここに含まれていません。三級課程の修了者については、生活援助従事者研修や入門的研修、認知症介護基礎研修とともに「介護職員初任者研修課程において履修すべき科目と一部重複するものと認められる」として、各都道府県の判断で初任者研修の一部を免除できるとされています。つまり3級は初任者研修の修了とみなされるのではなく、受講時に一部が免除される扱いです。訪問介護で働くことを考えているなら、あらためて初任者研修を修了する必要があります。
看護師の資格があれば、訪問介護員として働けますか?
通知上は要件を満たす扱いです。同じ通知は、看護師等の資格を有する者について、改正前は一級課程修了相当とみなされ、改正後は介護職員初任者研修修了の要件を満たしているものとして引き続き業務に従事することが可能である、としています。ただし重要な注意があり、訪問介護員として雇用される場合は訪問介護員として働くのであって、保健師助産師看護師法に規定された診療の補助や療養上の世話の業務を行うものではない、と明記されています。また、看護師等の業務から離れて相当の期間が経っている方や、在宅福祉サービスの経験がない方については、職場研修等を適切に行うことが望ましいとされています。
生活援助従事者研修とは何ですか。初任者研修とどう違いますか?
生活援助中心型のサービスを担うための研修で、修了に必要な時間は59時間です。介護職員初任者研修の130時間に比べて半分以下の負担で修了できます。創設の背景は平成30年度の介護報酬改定に関する審議報告で、訪問介護事業所の人材確保のため、介護福祉士等は身体介護を中心に担うこととし、生活援助中心型については従来の130時間以上の研修は求めず、生活援助に必要な知識等に対応した研修を修了した者が担うこととする、という方針が示されました。注意点として、この研修で担えるのは生活援助が中心の業務です。身体介護まで担当したい場合は初任者研修以上が必要になります。
出典
- 厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について(介護職員初任者研修・生活援助従事者研修関係)」老振発0328第9号(令和8年3月31日一部改正・改正後全文) (2026年(令和8年))
- e-Gov法令検索「介護保険法施行令」第3条(訪問介護員の範囲) (2026年(令和8年)閲覧)
- 厚生労働省 職業情報提供サイト job tag「訪問介護員/ホームヘルパー」 (2026年(令和8年)閲覧)
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、正確性・最新性を保証するものではありません。 制度や施設の状況は変わることがあります。実際のご判断の前には、各施設・公式情報や公的機関でご確認ください。
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