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介護福祉士の実務経験証明書|3年540日の数え方と、前の職場への頼み方

公開: 2026年7月30日 / 編集: 介護のしるべ編集部

内容確認: 2026年7月27日 ・ 次回確認期限: 2027年4月30日 ・ 編集部確認済み

介護福祉士の受験を決めて、書類の一覧を見て、そこで手が止まる。実務経験証明書。書式は試験センターのサイトからダウンロードできると分かっても、問題はそこではありません。3年前に辞めた施設に、いまから連絡して「書いてください」と頼まなければならない。 円満に辞めたとは言いがたい職場だったり、当時の上司がもういなかったり、そもそも事業所自体が残っているのかも分からなかったり。書式の話より、この一点が重い。

先に書いておきたいのは、これはあなたの頼み方の問題ではないということです。証明書の作成に手間がかかるのも、複数の職場から集めなければならないのも、制度がそういう作りになっているからです。事業者側にとっても慣れない事務であることが多く、試験センターがわざわざ事業者向けの作成支援ツールを用意しているくらいには、みんなが手こずる書類です。段取りを知っていれば進む話であって、あなたが気を遣い足りないせいではありません。

この記事では、そもそも何を証明する書類なのか、3年と540日をどう数えるのか、実務経験に入らない職種はどれか、前の職場に依頼するときに何を渡せば話が早いのか、そして職場が廃業していた場合にどうするかまでを、試験センターの公式資料をもとに整理します。

まず結論:詰まるのは書式ではなく「頼む相手」です

  • 書くのは事業者、あなたではありません。 無断で作成・改変すると無効になり、刑法上の罪に問われる可能性があると明記されています。あなたの役割は依頼までです。
  • 数える基準は2つあり、別物です。 従業期間3年(1095日)以上と、従事日数540日以上。両方を満たす必要があります。
  • 勤務先ごとに1枚ずつ必要です。 まとめられません。職場が複数あるほど、着手を早めることがそのまま余裕になります。

第39回試験の受験申込受付期間は2026年(令和8年)7月22日から9月2日までです。締切が近い時期にこの記事を読んでいるなら、まず依頼の連絡だけでも先に入れてください。

何を証明する書類なのか——3年と540日の中身

実務経験ルートで介護福祉士国家試験を受けるには、実務経験3年以上に加えて実務者研修の修了が必要です。このうち「実務経験3年以上」の中身を数字で表したものが、従業期間3年(1095日)以上かつ従事日数540日以上という基準です。

実務経験証明書は、この2つの数字を事業者が証明するための書類です。試験センターが用意している様式は3種類あります。ひとつめが「実務経験証明書」作成依頼書、ふたつめが実務経験証明書そのもの、みっつめが従事日数内訳証明書です。

作成依頼書は、あなたから事業者へ「この期間の証明をお願いします」と依頼するための様式です。手ぶらで頼むより、この様式を用意して渡したほうが話が早く進みます。実務経験証明書が本体で、これを事業者が作成し証明します。従事日数内訳証明書は、同じ期間に複数の事業所に所属していた場合に追加で必要になるもので、同じ日を重複して数えていないことを示すためのものです。

注意しておきたいのは、実務経験証明書と従事日数内訳証明書だけを提出しても、受験申し込みにはならないという点です。受験申込みはインターネット経由で行い、証明書はあくまで提出書類のひとつです。書類が揃ったことと申込みが完了したことは別なので、ここは分けて管理してください。

なお第39回試験では、受験手数料は20,510円、試験日は2027年(令和9年)1月31日、合格発表は同年3月23日にホームページへ掲載、結果通知の発送は3月26日となっています。

自分の日数を数える——従業期間と従事日数は別物です

ここを取り違えている人が本当に多いところです。ふたつの数字は、数え方がはっきり違います。

従業期間は、実務経験の対象となる施設(事業)および職種での在職期間です。在籍していた長さそのものなので、産休・育休・病休といった休職期間も含めて数えます。 育休を取ったから3年に届かない、と早合点する必要はありません。

従事日数は、雇用契約にもとづいて実際に介護等の業務に従事した日数です。こちらは、休暇・欠勤・出張・研修などで実際に介護業務をしなかった日を除いて数えます。そして1日の勤務時間は問いません。 ここが重要で、短時間勤務やパートで4時間だけ入った日も、夜勤で明けまで通した日も、どちらも1日は1日です。フルタイムでないから不利になる、という数え方ではありません。

この2つは片方だけでは足りず、両方を満たす必要があります。たとえば在籍は4年あるけれど、実際の出勤が週2日ペースだった場合、従業期間はクリアしても従事日数540日に届かないことがあります。逆に、短期間に集中して働いても、在籍期間が1095日に満たなければ従業期間の要件を満たしません。

自分の日数がぎりぎりかもしれない、と感じたら、試験センターが公開している従業期間計算表を使うと在職期間を計算できます。こちらは受験する側が使えるツールです。一方、実務経験証明書作成支援ツールと従事日数内訳証明書作成支援ツールは事業者が使うためのもので、受験申込者は使用できません。依頼する相手にこれらのツールの存在を伝えておくと、「入力フォームに沿って入力するだけ」で作成できるため、相手の負担がかなり軽くなります。

意外な落とし穴:その職種、実務経験に入らないかもしれません

実務経験の対象となる施設・事業および職種は、厚生労働省社会・援護局長通知(令和6年7月3日社援発0703第1号)によって定められています。対象は高齢者分野だけでなく、児童分野、障害者分野、その他の分野、介護等の便宜を供与する事業まで幅広く含まれます。特別養護老人ホームや通所介護はもちろん、障害者支援施設や生活介護、児童発達支援なども対象です。

ただし、対象にならない職種があります。 試験センターは、受験資格の対象とならない職種として、生活相談員、医師、看護師、理学療法士、事務員、調理員、相談員、警備員、運転手などを挙げています。基本の考え方は、主たる業務が介護等の業務である職員かどうか、という点にあります。

介護の現場で働いてきた人にとって、ここは意外に大きな話です。とくに生活相談員は、介護施設の中の職種でありながら、実務経験としては数えられません。介護職員から生活相談員に配置換えになった場合、その期間は介護福祉士の実務経験としては積み上がらない可能性があります。将来的に介護福祉士の受験を考えているなら、配置換えの打診を受けたときに、自分の実務経験があと何日残っているのかを把握したうえで判断したほうがいい、ということになります。

なお、他の業務との兼務であっても、辞令などで介護等の業務が主であることが明確であれば対象となる扱いがあります。自分の状況が微妙だと感じたら、自己判断せず、試験センターに事実関係を伝えて確認してください。証明書を作ってもらったあとで対象外と判明するより、先に確かめるほうがずっと楽です。

前の職場に依頼する——渡す情報と、逆算スケジュール

ここが本題です。連絡しづらい相手に、事務作業をお願いする。この一歩をどう軽くするか。

コツは単純で、相手が調べなくて済む形にして渡すことです。事業所側は、退職者の勤務記録を掘り起こして日数を数えるところから始めなければなりません。そこを先回りしておくと、負担も、返ってくるまでの時間も減ります。

依頼するときは、次の情報をまとめて伝えてください。

  • 在籍していた期間(入職日と退職日)と、当時の氏名(旧姓があれば併記)。
  • 担当していた職種と、所属していた事業所名・部署。
  • 提出先が社会福祉振興・試験センターであることと、必要な様式名。
  • 事業者向けの作成支援ツールがあること。

連絡手段は、まず電話で担当部署を確認し、そのうえで作成依頼書を郵送またはメールで送る、という順が確実です。最初の電話では「介護福祉士の受験のため、実務経験証明書の作成をお願いしたいのですが、どちらのご担当になりますか」とだけ伝えれば十分です。用件が事務手続きだとわかれば、話は事務的に進みます。

スケジュールは、申込締切から最低3週間は逆算しておくと安心です。作成に1〜2週間、郵送のやり取りに数日、記載内容の確認と不備があった場合の修正にさらに数日。勤務先が2か所以上ある場合は、いちばん時間がかかりそうなところから先に依頼を出してください。同時並行で構いません。

そして、これは実務的な話ですが、返ってきた証明書は必ず自分で内容を確認してください。 在籍期間の年号、従事日数、事業所名、証明印。数字がひとつずれているだけで差し戻しになります。相手を疑うのではなく、忙しい中で作ってもらったものだからこそ、受け取った側が確認する。それが結果的にお互いの手戻りを減らします。

職場が廃業していたら——自己申告という公式の道

依頼しようと調べたら、事業所がもうない。介護業界では珍しいことではありません。ここで「もう受験できないのか」と諦める人がいますが、公式の代替手続きがあります。

試験センターは「廃業した施設・事業所等の実務経験について(自己申告)」という様式を用意しています。廃業や倒産によって事業者から証明書を作成してもらえない場合は、この自己申告書に加えて、実務経験の要件を裏づける資料を郵送で提出します。

必要な資料は、次の4つの観点それぞれについて用意します。

  • 施設・事業の種類がわかるもの(閉鎖事項全部証明書、パンフレット、ホームページの写しなど)。
  • 職種がわかるもの(雇用契約書、給与明細など)。
  • 従業期間がわかるもの(勤務表、給与明細、雇用保険の記録など)。
  • 従事日数がわかるもの(勤務表、出勤表、給与明細など)。

見てのとおり、給与明細と雇用保険の記録が複数の観点をまたいで効きます。 介護の仕事を続けるつもりがあるなら、給与明細は捨てずに取っておく。この記事で持ち帰ってもらえる実用的な情報のひとつです。雇用保険の加入記録は、ハローワークで被保険者期間の照会ができます。

ひとつ注意点があります。試験センターは、申告内容に錯誤や虚偽があった場合は受験資格がなくなるとしており、審査は受験申込期間内に提出されたものに限られます。 つまり締切間際に気づくと間に合わない可能性があります。前の職場が存続しているかどうか怪しいと感じたら、その時点で試験センターに相談を入れてください。早く動くこと自体が、いちばん確実な対策になります。

見込みで出す選択肢と、いま動くべき理由

日数を数えてみて、あと少し足りない。そういう場合でも、その年をあきらめる必要はありません。

受験申込時点で実務経験を満たしていなくても、試験実施年度の3月31日までに従業期間・従事日数が基準に達する見込みであれば、実務経験見込みとして申し込めます。 この場合は実務経験見込証明書を提出し、要件を満たした後で証明書を出し直します。第39回では、見込みの記載がある受験票を持つ方の書類提出期限は2027年(令和9年)4月9日とされています。試験が終わり、合格発表も過ぎたあとに手続きが残るので、忘れやすいところです。申し込んだ時点でカレンダーに入れておいてください。

最後に、順番の話をひとつ。この記事を書いている時点で、第39回の受験申込受付期間は2026年7月22日から9月2日までです。もし今がこの期間の中なら、日数の計算や職種の確認より先に、前の職場への連絡をひとつ入れることをおすすめします。計算はあとからでもできますが、他人に動いてもらう作業だけは、あなたのペースで進められないからです。

受けるかどうかを、今日決めなくても構いません。実務者研修がまだ終わっていない人もいるでしょうし、今年は見送るという判断も普通にあります。ただ、証明書の依頼だけは、受けると決める前に出しておいても損はありません。書類が手元にあれば、受けると決めたその日に申し込める。逆の順番だと、決めてから3週間待つことになります。迷っている時期にできる準備として、これはかなり効率のいい一手です。

よくある質問

実務経験証明書は自分で書いてもいいですか?

いけません。この書類は、あなたが働いていた施設・事業所が事実を証明するものです。社会福祉振興・試験センターは様式のページで、就労先事業者等の許可なく作成または改変した場合は無効となり、刑法上の罪に問われる可能性があると明記しています。あなたがやるのは「作成依頼書」を用意して事業者に渡すところまでで、証明書そのものは事業者が作成し、証明印を押して完成します。なお試験センターが用意している実務経験証明書作成支援ツールと従事日数内訳証明書作成支援ツールは、いずれも施設・事業所の事業者が使うためのもので、受験申込者は使用できません。依頼するときに、こうしたツールがあることを伝えると、相手の負担が減ります。

従業期間と従事日数は何が違いますか?

従業期間は「実務経験の対象となる施設(事業)及び職種での在職期間」で、産休・育休・病休などの休職期間も含めて数えます。在籍していた期間の長さ、と考えてください。一方の従事日数は「雇用契約に基づき、実際に介護等の業務に従事した日数」で、休暇・欠勤・出張・研修などで実際に介護業務をしなかった日は除きます。ここで重要なのが、従事日数は1日の勤務時間を問わないという点です。短時間勤務やパートで働いた日でも、介護等の業務に従事していれば1日として数えます。受験資格は従業期間3年(1095日)以上かつ従事日数540日以上の両方を満たす必要があり、片方だけでは足りません。

複数の事業所で働いていた場合はどうなりますか?

勤務した施設・事業所ごとに、それぞれの事業者から実務経験証明書を出してもらいます。1枚にまとめることはできません。さらに、同じ期間に複数の事業所へ所属していた場合は、実務経験証明書に加えて「従事日数内訳証明書」の提出が必要です。これは同じ日を二重に数えていないことを確認するための書類です。訪問介護の登録ヘルパーを掛け持ちしていた方や、施設勤務と並行して別事業所でも働いていた方は該当する可能性があります。証明書は複数枚必要になることが多いため、勤務先が2か所以上ある人ほど、早めに依頼を始めることが大切です。

働いていた職場がなくなっている場合はどうすればよいですか?

公式の手続きがあります。試験センターは「廃業した施設・事業所等の実務経験について(自己申告)」という様式を用意しており、廃業や倒産で証明書を作成してもらえない場合は、この自己申告書と裏づけ資料を郵送で提出します。裏づけとしては、施設・事業の種類がわかるもの(閉鎖事項全部証明書、パンフレット、ホームページの写しなど)、職種がわかるもの(雇用契約書、給与明細など)、従業期間がわかるもの(勤務表、給与明細、雇用保険の記録など)、従事日数がわかるもの(勤務表、出勤表、給与明細など)の4点が必要です。審査は受験申込期間内に提出されたものに限られるため、思い当たる場合はできるだけ早く試験センターへ相談してください。

申込時点で3年に届かない場合、受験できませんか?

受験できる場合があります。受験申込時に実務経験を満たしていなくても、試験実施年度の3月31日までに従業期間・従事日数が基準に達する見込みであれば、実務経験見込みとして申し込めます。この場合は「実務経験見込証明書」を提出し、実際に要件を満たした後で証明書を出し直す流れになります。第39回試験では、見込みの記載がある受験票を持つ方の書類提出期限は2027年(令和9年)4月9日(金)とされており、この期限までに提出しないと試験が無効になります。見込みで申し込む場合は、合格発表のあとにもう一度手続きが残る点を、あらかじめカレンダーに入れておいてください。

出典


本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、正確性・最新性を保証するものではありません。 制度や施設の状況は変わることがあります。実際のご判断の前には、各施設・公式情報や公的機関でご確認ください。

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