働き方
60代・シニアから介護の仕事を始める・続ける|体力の不安と、重ねた年月という強み
還暦を過ぎて、あるいは定年という区切りを前にして、「これから何をして過ごそう」と考えたとき、介護という仕事が頭に浮かんだ——そんな方に、まず伝えたいことがあります。
きっと、うれしさより先に、不安のほうが大きいのではないでしょうか。「この年齢から始めて、体力が続くのだろうか」「新しいことを、今さら覚えられるだろうか」「若い人ばかりの職場で、浮いてしまわないだろうか」。一歩を踏み出したい気持ちと、それを引き止める不安とが、心の中で行ったり来たりしているかもしれません。
この記事だけの視点を、先に一つお伝えします。それは、介護は「若さ」よりも「人としての厚み」が効く仕事だ、ということです。速く動けること、たくさん覚えられること——もちろん、それも力です。けれど介護の現場で本当に求められているのは、目の前の人の気持ちをくみ取る力、慌てずに寄り添う落ち着き、そして相手を安心させる存在感。これらは、あなたがこれまで生きてきた年月そのものが育ててくれたものです。重ねてきた時間が、そのまま強みになる場所が、介護にはあります。
この記事では、なぜシニアが介護で活躍できるのかという背景から、体力に合った働き方の選び方、無理なく長く続けるための具体的なコツ、そして「介護に年齢の上限はあるのか」という素朴な疑問まで、公的なデータをもとに、できるだけやさしい言葉でお伝えします。読み終わるころには、その一歩が、少しだけ軽く感じられるはずです。
先に、心に留めてほしいこと

こまかい話に入る前に、いちばん大切なことを、先に三つだけお伝えします。
- 介護には、基本的に「年齢の上限」がありません。 60代はもちろん、70代で現役という人も、この現場では珍しくありません。求人で年齢を理由にふるいにかけることは、法律で原則禁じられています。
- 体力の不安は、「働き方の選び方」で小さくできます。 介護の仕事は幅広く、夜勤なし・日勤中心・短時間など、体に合った入口を選べます。無理のない場所から始めて大丈夫です。
- これまでの人生経験が、そのまま「持ち味」になります。 傾聴(相手の話にじっくり耳を傾けること)の力、落ち着いた対応、利用者さんと歳が近いことからくる安心感。若い人には出しにくい強みが、あなたにはあります。
この三つを心の隅に置いて、まずは「年齢の不安」の正体から、一つずつほどいていきましょう。
「この歳から」という不安の、正体

新しい世界に飛び込もうとするとき、不安が湧いてくるのは自然なことです。でも、その不安を「なんとなく怖い」のまま抱えていると、実際より大きく感じてしまいます。ここでは、シニアが介護を前にして感じやすい三つの不安を、一つずつ、外の光にあてて眺めてみます。
「体力が続くだろうか」という不安
いちばん多いのが、この不安だと思います。介護には「重い人を持ち上げる力仕事」というイメージがあり、そこで気後れしてしまう方は少なくありません。
けれど、後でくわしくお伝えするとおり、介助は「力」より「技術」でするものです。正しい体の使い方を学べば、若い人の力任せよりも、むしろ安全で楽な介助ができるようになります。そして何より、介護の働き方は一つではありません。体への負担が比較的軽めの職場を選ぶこともできます。「体力=若さ」だと決めつけて、入口の手前で引き返してしまうのは、もったいないことです。
「今さら覚えられるだろうか」という不安
長く一つの仕事を続けてきた方ほど、「まったく新しいことを、この歳で覚えられるのか」と身構えてしまうものです。
でも、安心してください。介護の現場では、未経験の人が、いきなり難しい仕事を一人で任されることはありません。最初は先輩について回りながら、見守りや話し相手、食事の配膳といった、取り組みやすいことから少しずつ始めます。覚えることは確かにありますが、それは「一度に全部」ではなく、「毎日少しずつ」。若い頃のような瞬発力の記憶ではなく、経験に結びつけて理解していく——それは、年齢を重ねた人がむしろ得意とする学び方です。焦らず、自分のペースで身につけていけば大丈夫です。
「若い同僚から浮かないだろうか」という不安
年下の先輩に教わることへの気恥ずかしさ、若いスタッフとの間の距離感——これも、よく聞く不安です。
けれど、介護の現場は、20代から70代まで、本当に幅広い年代が肩を並べて働く職場です。年齢が離れていることは、ここではごく当たり前の風景で、それ自体が壁になることは、あまりありません。むしろ、忙しさに追われる若いスタッフにとって、落ち着いて相談できる年上の存在は、心強いものです。「教えてください」と素直に頼れる謙虚さと、人生経験で場を和ませる余裕。その両方を持てる人は、年齢に関係なく、どんなチームでも大切にされます。
なぜ、シニアが介護で活躍できるのか

不安の正体を眺めたところで、今度は反対側——「なぜシニアがこの仕事で活躍できるのか」を、きちんと見ていきましょう。ここには、気休めではない、はっきりした理由があります。
全国的に、介護の担い手が足りていない
まず、社会の側の事情です。介護の現場は、いま全国的に人手が足りていません。仕事を探す人1人に対して何件の求人があるかを表す「有効求人倍率(ゆうこうきゅうじんばいりつ)」という数字がありますが、厚生労働省の統計では、介護分野の有効求人倍率は、全産業の平均を大きく上回る高い水準が続いています。それだけ「人を求めている職場が多い」ということです。
だからこそ、介護の現場は、幅広い年代の担い手を歓迎します。年齢を理由に門前払いするどころか、「経験があってもなくても、長く続けてくれる人に来てほしい」というのが、多くの職場の本音です。これは、あなた個人の価値の問題ではなく、社会全体がそれだけ介護の担い手を必要としている、という事実です。
実際に、年上の担い手が現場を支えている
「歓迎される」というのは、きれいごとだけではありません。公益財団法人 介護労働安定センターの令和6年度「介護労働者の就業実態と就業意識調査」では、有効回答21,325人のうち、60歳以上の回答者は4,117人(約19.3%)、そのうち70歳以上は729人でした。これは日本の介護職全員の年齢構成を示す数字ではなく、調査回答者の集計です。それでも、60代や70代で現場を支える人が実際にいることは確認できます。
つまり、シニアの介護職員は「特別な例外」ではなく、現場を実際に支えている、当たり前の存在なのです。あなたが不安に思っている「この歳から」の道を、すでに多くの人が歩き、今も現役で働いています。
傾聴・落ち着き・安心感——年月が育てた強み
そして、いちばんお伝えしたいのが、シニアならではの「持ち味」です。介護は、人と人とが深く関わる仕事です。だからこそ、次のような力が、若さ以上に効いてきます。
- 傾聴の力。 相手の話にじっくり耳を傾け、気持ちをくみ取る力は、人生経験とともに深まります。利用者さんは、自分の話を急がず聞いてくれる人に、心を開きます。
- 落ち着いた対応。 予期せぬことが起きても、慌てず穏やかに構える。その落ち着きが、利用者さんにもご家族にも、安心を与えます。
- 利用者さんと歳が近いことからくる、安心感。 同じ時代を生きてきた者どうしだからこそ通じる会話や、感覚があります。昔の歌、昔の暮らし、共通の話題——それが、心の距離をぐっと縮めます。
これらはどれも、若さでは代わりのきかない、あなただけの財産です。あなたがこれまで生きてきた年月は、介護の現場で、そのまま「人を支える力」に変わります。
体力に合った働き方を、どう選ぶか

「シニアでも活躍できる」と分かっても、体力への不安がゼロになるわけではありません。ここが、いちばん大事なところです。無理なく長く続けるためには、自分の体力に合った「働き方」を選ぶことが、何より効きます。介護の仕事は幅広く、選び方しだいで、体への負担は大きく変わります。
まずは全体像をつかむために、未経験・無資格から介護を始めるにはのページも、あわせてのぞいてみてください。ここでは、体力に配慮したいシニアの視点から、選び方の軸を整理します。
軸1:夜勤があるか、ないか
体への負担を左右する、いちばん大きな要素が「夜勤(やきん)」です。夜勤は昼夜が逆転しやすく、年齢を重ねた体には特にこたえます。体力に不安があるなら、まずは夜勤のない働き方から検討するのがおすすめです。
その代表が、**デイサービス(通所介護)**です。利用者さんが朝に来て夕方に帰る「日中だけ」のサービスなので、原則として夜勤がありません。生活リズムを保ちやすく、シニアの再就職先として選ばれやすい働き方です。どんな仕事か、1日の流れはどうかは、デイサービスで働くとはのページでくわしく紹介しています。
なお、入居して暮らす施設(夜勤があるのが一般的)でも、「夜勤は月に何回まで」と相談できたり、夜勤なしの日勤専従(にっきんせんじゅう=日中だけ働く形)で採用してくれたりする職場もあります。夜勤の有無や回数は、応募のときに必ず確認しましょう。
軸2:身体介護が中心か、生活の支援が中心か
介護の仕事は、大きく「身体介護」と「生活援助」に分けられます。
- 身体介護(しんたいかいご):食事・入浴・排せつ・移動など、体に直接触れて行う介助。体力を使う場面が多い部分です。
- 生活援助(せいかつえんじょ):掃除・洗濯・調理・買い物など、暮らしを支える手伝い。見守りや話し相手も含みます。体への負担は比較的ゆるやかです。
体力に不安があるなら、生活援助や見守りの比重が高い職場を選ぶ、という手があります。たとえば訪問介護のうち生活援助が中心の仕事や、比較的自立度の高い方が多い施設などです。もちろん、身体介護にまったく関わらないわけではありませんが、「重い介助がびっしり」という状況は避けやすくなります。
軸3:短時間・週数日から始められるか
いきなりフルタイムで働くことに不安があるなら、短時間・週数日から始める道もあります。介護、とくにデイサービスや訪問介護では、「週2〜3日から」「午前だけ」「1日数時間から」といった柔軟な求人が少なくありません。
まずは短い時間から体を慣らし、「これなら続けられそう」と手応えを感じてから、少しずつ勤務を増やしていく。そんな段階を踏める職場を選べば、体力への不安はぐっと小さくなります。無理をして最初に飛ばしすぎないことが、長く続ける何よりのコツです。
選び方を、表で整理すると
ここまでの三つの軸を、表にまとめておきます。体力に不安のあるシニアの方は、右側(負担がゆるやかめ)の要素を意識して職場を選ぶと、無理なく続けやすくなります。
| 選ぶときの軸 | 体への負担が大きめ | 体への負担がゆるやかめ |
|---|---|---|
| 夜勤 | 夜勤あり(入居系に多い) | 夜勤なし(デイサービスなど) |
| 仕事の中心 | 身体介護が中心 | 生活援助・見守りが中心 |
| 勤務の量 | フルタイム・週5日 | 短時間・週2〜3日から |
大切なのは、「どれが正解か」ではなく、「今の自分の体力と暮らしに、どれが合うか」です。合わなければ、あとから選び直すこともできます。施設のタイプごとの働き方の違いは、施設・職場の基本情報を地域から調べる(求人ではありません)ページからも、あなたの街の実際の職場とあわせて見ていけます。
無理なく、長く続けるためのコツ

働き方を選んだら、次は「続け方」です。せっかく始めても、体を痛めてしまっては元も子もありません。ここでは、シニアが体を守りながら長く働くための、具体的なコツをお伝えします。難しいことではありません。少し意識するだけで、体の持ちがずいぶん変わります。
「力」でなく「技術」で介助する
介護の介助は、力任せに行うものではありません。ボディメカニクスという、体の仕組みを使った介助の技術があります。少し専門的な言葉ですが、意味はシンプルで、「てこの原理や自分の体重移動を使って、小さな力で相手を支える方法」のことです。
たとえば、相手に近づいて重心を寄せる、ひざを曲げて腰を落とす、腕の力ではなく足や体全体を使う——こうした基本を身につけるだけで、腰や膝への負担は大きく減ります。多くの職場では、この体の使い方を最初に教えてくれます。若い人の力任せより、技術を身につけたシニアの介助のほうが、実は安全で長持ちするのです。介助のたびに「力より、体の使い方」と自分に言い聞かせるくらいでちょうどよいでしょう。
腰を守る、体を守る
それでも、介護はある程度、体を使う仕事です。だからこそ、日々の「体を守る習慣」が効いてきます。
- 腰への負担を意識する。 前かがみの姿勢や、中腰での作業は腰を痛めやすいので、なるべく避けます。ベッドの高さを調整する、福祉用具(移動を助ける道具)を使うなど、道具に頼ることも大切です。
- 無理を「無理」と言う。 一人で持ち上げるのが不安な介助は、遠慮なく「手を貸してください」と同僚を呼びます。二人で行えば、負担は半分です。一人で抱え込まないことが、体を守る第一歩です。
- 体を、日頃からいたわる。 仕事の前後に軽くストレッチをする、入浴で体を温める、痛みを感じたら早めに休む・受診する。小さなケアの積み重ねが、長く働ける体をつくります。
休息を、きちんととる
そして、見落とされがちですが、いちばん大切なのが「休息」です。年齢を重ねると、疲れが抜けるのに、若い頃より少し時間がかかります。それは自然なことで、恥ずかしいことではありません。
だからこそ、休むことを「サボり」と考えないでください。休憩時間はしっかり座って体を休める、休みの日は無理に予定を詰め込まず体力を回復させる、そして「今日は疲れた」と感じたら、その声に素直に従う。頑張りすぎて体を壊してしまうより、少しゆとりを持って長く続けるほうが、あなたにとっても、利用者さんにとっても、ずっと良いことです。無理なく続けることそのものが、立派な仕事なのです。
介護に、年齢の上限はあるのか

最後に、多くの方が気にする、この疑問にお答えします。「介護は、いったい何歳まで働けるのか」。結論から言えば、介護には、基本的に決まった「年齢の上限」はありません。その理由を、制度の面から二つ、やさしく説明します。
求人での年齢制限は、原則として禁止されている
まず知っておいてほしいのが、そもそも求人を出すとき、事業所は原則として年齢で応募者を制限してはいけない、という法律のルールです。これは「労働施策総合推進法(ろうどうしさくそうごうすいしんほう)」という法律で定められており、平成19年(2007年)10月から、事業主には「募集・採用で、年齢にかかわりなく均等な機会を与える」ことが義務づけられています(厚生労働省)。
つまり、「◯歳以下の方」といった年齢制限を、求人で自由に設けることは、法律上できないのが原則です。これは介護に限った話ではなく、あらゆる仕事に共通するルールですが、人手を広く求める介護の現場では、この原則が、年齢を重ねた方の追い風になっています。
国の制度も、長く働ける方向へ進んでいる
もう一つ、**高年齢者雇用安定法(こうねんれいしゃこようあんていほう)**という法律があります。少し難しい名前ですが、要は「高齢になっても働き続けられるように、事業所に努力を求める」法律です。この法律では、大きく二段階の枠組みが定められています。
- 65歳までは、雇用を確保することが事業所の「義務」。 定年を上げる、定年をなくす、あるいは継続して雇う制度を設けるなどして、希望する人が65歳まで働けるようにすることが、事業所に義務づけられています。
- 70歳までは、就業機会を確保することが「努力義務」。 さらに70歳まで働けるようにすることも、事業所が努力すべきこととして、令和3年(2021年)4月から加わりました(厚生労働省)。
「義務」と「努力義務」の違いはありますが、いずれにせよ国全体として、年齢を重ねても働き続けられる方向へ、制度は着実に進んでいます。介護の現場は、こうした流れをいち早く受け止めている分野の一つと言えます。
ただし、「個々の募集条件」は必ず確認を
ここまで「年齢の上限は基本的にない」とお伝えしてきましたが、大切な但し書きが一つあります。それは、これはあくまで「一般的な考え方」であり、個々の求人の条件は別だ、ということです。
たとえば、募集によっては「夜勤ができる方」「送迎の運転ができる方」といった、業務に必要な条件が示されていることがあります。これは年齢制限そのものではありませんが、結果として、体力や運転免許といった条件が関わってくる場合があります。だからこそ、気になる求人を見つけたら、その募集内容を一つずつ確かめることが大切です。「自分の体力で、この仕事は無理なく続けられそうか」という視点で、勤務時間・仕事内容・夜勤の有無を確認しましょう。年齢だけで諦める必要はありませんが、無理のない条件を選ぶ目は、しっかり持っておいてください。
おわりに:重ねた年月は、そのまま強みになる

この記事の入口で、「介護は若さより、人としての厚みが効く仕事だ」とお伝えしました。ここまで読んでくださったあなたには、その意味が、少しずつ形になって見えてきたのではないでしょうか。
体力への不安は、働き方を選ぶことで小さくできます。覚えられるかという不安は、少しずつ学べる現場のしくみが支えてくれます。若い同僚との差は、あなたの落ち着きと傾聴の力が、むしろ強みに変えてくれます。そして、あなたがこれまで生きてきた年月——喜びも、苦労も、人との関わりも——そのすべてが、目の前の利用者さんを支える力になります。介護には、重ねてきた時間が、そのまま値打ちになる場所があるのです。
年齢は、壁ではありません。あなたにとっては、むしろ財産です。もし「自分にもできそう」と、ほんの少しでも思えたなら、まずは、あなたが無理なく通える範囲に、どんな職場があるのかを知ることから始めてみませんか。施設・職場の基本情報を地域から調べる(求人ではありません)ページで、あなたの街の一歩を、そっとのぞいてみてください。長い人生で培ってきたものを、これから誰かのために活かそうとしているあなたを、心から応援しています。
よくある質問
介護の仕事は、何歳まで働けますか?
はっきりした「上限年齢」は、基本的にありません。60代はもちろん、70代で現役という人も、介護の現場では珍しくありません。そもそも求人を出すとき、事業所は原則として年齢で応募者をふるいにかけてはいけない、と法律(労働施策総合推進法)で定められています。さらに国の制度でも、事業所には「65歳までの雇用を確保する義務」と「70歳まで働けるようにする努力義務」が課されており、長く働ける環境は年々整ってきています。ただし、これはあくまで一般的な考え方です。募集ごとに勤務時間や身体的な条件が示されていることもあるので、気になる求人は、その内容を一つずつ確かめてください。
60代・未経験でも、採用されますか?
採用されます。介護は全国的に人手が足りていないこともあり、年齢や経験より「長く続けてくれる気持ち」を大切にする職場が多い分野です。実際、40代・50代から未経験で始める人は多く、60代でスタートする人もいます。子育て・家族の介護・接客・事務など、これまでの人生で培った経験は、利用者さんやご家族と向き合ううえで、そのまま強みになります。若さよりも、落ち着いた対応や人としての厚みが効く場面が多い仕事です。
体力に自信がなくても、大丈夫でしょうか?
大丈夫です。介護と聞くと「重い人を持ち上げる力仕事」というイメージがあるかもしれませんが、正しい体の使い方(ボディメカニクスといいます)を身につければ、力任せに頼らず介助できるようになります。また、介護の働き方は幅広く、体への負担が比較的軽めの職場を選ぶこともできます。たとえば、泊まりのないデイサービス(日中だけ通う施設)、見守りや生活の支援が中心の職場、短時間勤務、夜勤なしの働き方など。自分の体力に合わせて、無理のない入口を選べます。
シニアに向いている職場は、どんなところですか?
一般に、体への負担がゆるやかで、生活リズムを保ちやすい職場が向いているとされます。代表的なのが、夜勤がなく日中中心のデイサービス(通所介護)です。ほかにも、利用者さんの自宅を訪ねて生活を支える訪問介護(身体を持ち上げる場面が比較的少なめ)、夜勤の回数を選べる施設、短時間・週数日から入れる職場などがあります。大切なのは「体力に合うか」と「生活と両立できるか」。夜勤の有無や勤務時間を軸に、施設のタイプを見比べて選ぶとよいでしょう。
若い同僚とうまくやっていけるか、不安です。
その不安を持つ方は少なくありません。ただ、介護の現場は20代から70代まで、本当に幅広い年代が一緒に働く職場です。年齢が離れていること自体が問題になることは、あまりありません。むしろ、若いスタッフにとっては、落ち着いて相談できる年上の存在は心強いものです。分からないことは年下の先輩にも素直に「教えてください」と頼り、逆に人生経験で支えられるところは支える——その姿勢があれば、年齢の差はチームの強みに変わります。
年金をもらいながら、介護で働くことはできますか?
できます。年金を受け取りながら働いている人は、介護の現場にも多くいます。ただし、厚生年金を受けながら会社などで働く場合、「在職老齢年金」という仕組みがあり、毎月の給与(賞与を含めた月額換算)と老齢厚生年金の合計が一定の基準額を超えると、年金の一部が支給停止になることがあります。この基準額は年度によって見直されるため、「いくらまでなら年金が減らないか」を正確に知りたいときは、お近くの年金事務所や「ねんきんダイヤル」で、自分の場合を確認するのが確実です。短時間・週数日の働き方なら、給与が基準額を下回り、年金に影響が出にくいこともあります。無理のない範囲で働きながら、年金と給与の両方を受け取る、という選び方もできます。
出典
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、正確性・最新性を保証するものではありません。 制度や施設の状況は変わることがあります。実際のご判断の前には、各施設・公式情報や公的機関でご確認ください。
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