資格・キャリア
ケアマネの更新研修はどうなる|更新制廃止の決定内容と、施行までにすべきこと
内容確認: 2026年7月27日 ・ 次回確認期限: 2027年1月31日 ・ 編集部確認済み
「更新制がなくなるらしい」という話を、職場やSNSで耳にした方は多いと思います。同時に、手元の介護支援専門員証には有効期間が印字されていて、来年や再来年の日付が迫っている。廃止されるなら、いま高い受講料を払って何十時間も研修に通う意味はあるのか。そう考えるのは、まったく自然なことです。
先に、この記事でいちばん大事な一点を書きます。廃止は法律で決まりました。ただし「いつから」はまだ決まっていません。 そして政令で施行日が定まるまでのあいだ、現行の更新制はそのまま動き続けます。つまり「決まったこと」と「まだ動いていないこと」が同時に存在している状態で、ここを取り違えると、証を失効させてしまうという実害が出ます。
長年、5年ごとの更新と数十時間の研修、そして自己負担になりがちな受講料は、ケアマネジャーの負担として繰り返し指摘されてきました。今回の改正はその流れを受けたものです。この記事では、法律の原文で何が決まったのかを確認し、施行日の書き方が持つ意味を読み解き、それまでのあいだ自分の証をどう扱えばいいのか、そして現行の研修体系の全体像までを整理します。
まず結論:廃止は決まった。ただし「いつから」はまだ決まっていない

- 法律は成立・公布済みです。 令和8年法律第51号として2026年6月25日に公布されました。更新の仕組みの廃止が条文上の措置として明記されています。
- 施行日は政令待ちです。 この部分だけ「公布後1年6月以内に政令で定める日」とされており、遅くとも2027年12月25日までのどこかになります。
- それまでは現行制度が続きます。 有効期間が先に来る人は、従来どおり研修を受けないと失効します。失効すると再研修が必要になります。
つまり、いま取るべき行動は「様子を見る」ではなく「自分の証の満了日を確認する」です。
何が決まったのか——令和8年法律第51号の中身

根拠は「社会福祉法等の一部を改正する法律」です。参議院の議案情報によれば、この法律案は令和8年4月3日に提出され、衆議院本会議で同年5月26日に可決、参議院本会議で6月19日に可決されて成立し、6月25日に令和8年法律第51号として公布されました。
厚生労働省が公表している法律案の概要には、改正の趣旨としてこう書かれています。「福祉人材の安定的な確保や定着を図るため、介護支援専門員の資格に係る更新制の廃止及び法定研修の見直し等の措置を講ずる」。
さらに改正の概要のうち「2.福祉人材の安定的な確保及び定着支援」の③として、より具体的にこう記されています。「介護支援専門員(ケアマネジャー)に係る研修受講を要件とした更新の仕組みを廃止するなど、法定研修に係る見直しを行う。」
ここで注意して読みたいのが、廃止の対象が**「研修受講を要件とした更新の仕組み」**と限定されている点です。法定研修そのものを廃止するとは書かれていません。「見直しを行う」という表現が続いており、研修制度は残したうえで組み直す、という建て付けになっています。
なお同じ「2」の②には、介護福祉士に関する改正も含まれています。令和13年度までの介護福祉士養成施設卒業者について、経過措置として卒業後5年間は介護福祉士の資格を有することができるものとするほか、准介護福祉士資格を廃止する、という内容です。今回の改正はケアマネジャーだけの話ではありません。
「公布後1年6月以内に政令で定める日」が意味すること

ここがいちばん誤解を生んでいるところです。法律の概要には、施行期日がこう書かれています。
「令和9年4月1日(ただし、2.②の一部は公布日、2.③は公布後1年6月以内に政令で定める日、1.③及び⑤の一部は公布後2年以内に政令で定める日、1.⑤、⑥及び2.①の一部は公布後3年以内に政令で定める日)」
ケアマネジャーの更新制廃止は「2.③」にあたります。つまり、この法律の原則的な施行日である令和9年4月1日ではありません。 別枠で「公布後1年6月以内に政令で定める日」とされています。
公布日が2026年6月25日ですから、その1年6か月後は2027年12月25日です。施行日はこの間のいずれかの日になり、具体的な日付は今後政令で定められます。明日かもしれませんし、1年半後かもしれない。現時点では誰にも確定的なことは言えません。
「2026年に廃止」「もう受けなくていい」といった要約を見かけますが、法律の成立・公布と、その規定が実際に効力を持つ施行とは別のものです。廃止の決定と、廃止の実施のあいだには、まだ時間があります。
なぜこういう書き方になるかというと、制度を切り替えるには、廃止後の研修をどう位置づけるか、既存の有効期間をどう扱うか、都道府県の実施体制をどう移行するかといった準備が必要だからです。その準備の見通しがついた時点で政令が出る、という順序になります。
施行までのあいだ、いまの証はどうなるか

結論から言うと、何も変わりません。 介護支援専門員証の有効期間は5年で、更新には所定の研修修了が必要という現行の仕組みが、施行日を迎えるまでそのまま続きます。
ここで実害が出やすいのが、「どうせ廃止されるから」と受講を見送ってしまうケースです。有効期間が満了すると証は失効し、そのままではケアマネジャーとして業務に従事できません。そして失効後に復帰するには、**再研修(54時間以上)**を受ける必要があります。更新のために受けるはずだった研修より、結果的に負担が増えることもあります。
やるべきことは単純です。手元の介護支援専門員証を出して、有効期間満了日を確認する。 そのうえで、都道府県または研修実施機関が公表している日程を見て、満了までに修了できる回に申し込む。研修は定員があり、人気の回は早く埋まります。神奈川県のように「個別の更新案内は行わないため、各自で有効期間を管理してほしい」と明記している自治体もあり、通知が来るのを待つ前提でいると間に合いません。
満了日がまだ数年先の方は、政令の動きを見ながら判断する余地があります。厚生労働省の発表や都道府県からの通知を、年に一度は確認しておくとよいと思います。
現行の法定研修の全体像——時間数と費用

いま動いている研修の体系を、あらためて整理しておきます。時間数は全国共通ですが、日程・定員・受講料は都道府県によって異なります。
入口は実務研修です。 介護支援専門員実務研修は87時間。試験に合格したあと、これを修了して初めて登録・証の交付に進みます。
更新にあたる研修は、いまの働き方で分かれます。 現に実務に従事している方は、就業後6か月以上で専門研修課程Ⅰ(56時間以上)、就業後3年以上で専門研修課程Ⅱ(32時間以上)。実務経験はあるが現在従事していない方は、更新研修(実務経験者対象)の前期56時間以上と後期32時間以上。実務経験がない方は、更新研修(実務未経験者対象)54時間以上です。
期限を過ぎた場合が再研修です。 54時間以上。前述のとおり、失効してから戻る道はここになります。
主任を目指す場合は別系統です。 主任介護支援専門員研修が70時間以上、主任介護支援専門員更新研修が46時間以上となっています。
費用の実感をつかむために、神奈川県が公表している受講料を例に挙げます。専門研修課程Ⅰが43,200円、課程Ⅱが32,200円、更新研修(実務未経験者対象)と再研修がそれぞれ42,700円です。課程ⅠとⅡを両方受けると7万5千円を超える計算になります。これが5年ごとに来る。しかも研修は平日開催が多く、勤務調整も必要になる。負担が重いという現場の声には、こうした具体的な裏づけがあります。 今回の改正の背景を考えるうえで、押さえておいてよい数字だと思います。
なお金額はあくまで神奈川県の例です。お住まいの都道府県の公表資料で確認してください。
廃止後も、研修そのものはなくならない

期待も込めて「研修がなくなる」と読みたくなるところですが、法律の書き方はそうなっていません。
繰り返しになりますが、廃止されるのは「研修受講を要件とした更新の仕組み」です。そして条文の概要は「更新の仕組みを廃止するなど、法定研修に係る見直しを行う」と続きます。研修制度自体を廃止するのではなく、更新と紐づけた形をやめて組み直す、という方向性が読み取れます。
廃止後の研修がどういう形になるのか——受講の頻度、時間数、費用負担、受けなかった場合の扱いなど——は、現時点で確定していません。厚生労働省が引き続き検討している段階です。この記事で断定的に書けることはここまでです。
ただ、方向性としてひとつ言えるのは、「期限に追われて受ける研修」から「学び続けるための研修」へ、という組み替えが意図されているとみられることです。それが現場の実感に合う形になるかどうかは、これから出てくる具体的な制度設計次第でしょう。
確定した情報は、厚生労働省の公表資料や都道府県からの通知で確認してください。この記事も、政令や関連通知が出た時点で内容を見直します。
いま確認しておく3つのこと

最後に、この記事を閉じる前にやっておくと安心なことを3つだけ挙げます。どれも数分で終わります。
1つめ、介護支援専門員証の有効期間満了日を確認する。 財布やロッカーから証を出して、日付を見る。ここがすべての起点です。満了まで1年を切っているなら、研修日程の確認を優先してください。
2つめ、自分がどの研修区分に当たるかを確定する。 現に実務に従事しているか、経験はあるが離れているか、実務未経験か。区分によって受ける研修も時間数も変わります。判断に迷う場合は、都道府県の担当課か研修実施機関に問い合わせるのが確実です。
3つめ、受講料と勤務調整について職場に確認する。 資格取得支援制度がある事業所なら、受講料の補助や勤務日扱いの取り扱いがあるかもしれません。制度がなくても、日程を早めに共有しておけばシフトの調整はしやすくなります。研修は平日に組まれることが多く、直前の申し出ほど職場も自分も苦しくなります。
更新制の廃止は、長く言われ続けてきた負担への、ひとつの応答ではあります。ただ、それが自分の手元に届くのは政令が出てからです。それまでのあいだ、制度の見通しに賭けて期限を逃すより、確認だけ済ませておくほうが、結果的に気持ちも楽になると思います。制度が変わるのを待つ必要はありますが、待っているあいだに失うものがないようにしておく。いま必要なのは、それだけです。
よくある質問
ケアマネの更新制は本当に廃止されるのですか?
廃止は法律で決まっています。2026年(令和8年)6月25日に公布された「社会福祉法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第51号)の概要には、改正の趣旨として「福祉人材の安定的な確保や定着を図るため、介護支援専門員の資格に係る更新制の廃止及び法定研修の見直し等の措置を講ずる」と明記されています。改正の概要でも「介護支援専門員(ケアマネジャー)に係る研修受講を要件とした更新の仕組みを廃止するなど、法定研修に係る見直しを行う」とされています。ただし決まっているのは廃止という方針であって、実際にいつから適用されるかは別です。次の質問を確認してください。
いつから更新研修を受けなくてよくなりますか?
現時点では決まっていません。同法の施行期日は原則として令和9年4月1日ですが、介護支援専門員の更新制廃止にあたる部分(改正の概要2の③)については「公布後1年6月以内に政令で定める日」と定められています。公布日が2026年6月25日なので、遅くとも2027年12月25日までのいずれかの日に施行される、という状態です。具体的な日付は今後政令で決まります。つまり「廃止は決まったが、施行日は未定」というのが正確な現状です。政令が出るまでは現行の更新制が続くため、有効期間が近い方は従来どおり計画を立てる必要があります。
施行されるまでのあいだ、いまの介護支援専門員証はどうなりますか?
現行のルールがそのまま続きます。介護支援専門員証の有効期間は5年で、更新には所定の研修修了が必要という仕組みは、政令で定める施行日を迎えるまで有効です。したがって、有効期間の満了が近い方は、これまでどおり研修を受講しないと証が失効します。失効した場合は再研修(54時間以上)の受講が必要になり、かえって負担が大きくなります。「どうせ廃止されるから」と受講を見送るのは、施行日が未定である以上リスクがあります。まずは自分の証の有効期間満了日を確認し、都道府県の案内で研修日程を押さえてください。
更新に必要な研修と時間数を教えてください。
現に実務に従事しているかどうかで分かれます。実務に従事している方は、就業後6か月以上で専門研修課程Ⅰ(56時間以上)、就業後3年以上で専門研修課程Ⅱ(32時間以上)を受講します。実務経験はあるが現在従事していない方は、更新研修(実務経験者対象)の前期56時間以上・後期32時間以上。実務経験がない方は更新研修(実務未経験者対象)54時間以上です。有効期間が過ぎてしまった場合は再研修54時間以上になります。なお試験合格後に最初に受けるのが介護支援専門員実務研修87時間、主任介護支援専門員研修は70時間以上、主任の更新研修は46時間以上です。研修は都道府県が実施主体のため、日程・定員・受講料は地域によって異なります。
更新制が廃止されたら、研修は一切なくなるのですか?
なくなりません。今回の改正で廃止されるのは「研修受講を要件とした更新の仕組み」であって、法定研修そのものではありません。法律の概要も「更新の仕組みを廃止するなど、法定研修に係る見直しを行う」という書き方で、研修制度は見直したうえで残る建て付けになっています。廃止後の研修をどのような形で位置づけるかは、厚生労働省が引き続き検討している段階です。したがって「更新の期限に追われる形ではなくなる見込みだが、学び続ける必要はなくならない」と理解しておくのが実態に近いと考えられます。確定した内容は、今後の政省令や通知で確認してください。
出典
- 厚生労働省「社会福祉法等の一部を改正する法律案の概要」(介護支援専門員の更新制廃止・施行期日) (2026年(令和8年))
- 参議院「社会福祉法等の一部を改正する法律案」議案情報(令和8年法律第51号・2026年6月25日公布) (2026年(令和8年))
- 厚生労働省「介護支援専門員資質向上事業」(法定研修のガイドライン) (2026年(令和8年)閲覧)
- 千葉県「介護支援専門員(ケアマネジャー)の研修について」(研修区分と時間数) (2026年(令和8年)閲覧)
- 神奈川県「介護支援専門員の研修情報」(有効期間・研修時間数・受講料の例) (2026年(令和8年)閲覧)
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、正確性・最新性を保証するものではありません。 制度や施設の状況は変わることがあります。実際のご判断の前には、各施設・公式情報や公的機関でご確認ください。
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