資格・キャリア

主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)とは|要件・役割と、目指す意味をやさしく解説

公開: 2026年7月23日 / 編集: 介護のしるべ編集部

ケアマネジャーとして何年か働いてきて、少しずつ後輩の相談にのる場面が増えてきた。あるいは、判断に迷う難しいケースを前に、「もっと力になれる自分になりたい」と感じる瞬間がある——そんなとき、「主任ケアマネ」という言葉が視界に入ってきたのではないでしょうか。名前は聞くけれど、ふつうのケアマネと何が違うのか、どうすればなれるのか、いまひとつはっきりしない。そんなもやもやを抱えている方は、少なくないと思います。

この記事だけの視点を、先にひとつだけお伝えします。主任ケアマネという役割の本質は、「自分が支援する」から「支援する人を支える」へと、立ち位置が変わることにあります。これまであなたは、目の前の利用者さんに向き合ってきました。主任ケアマネは、その利用者さんを支えているケアマネ自身に向き合い、支える人です。言いかえれば、地域のケアという建物の、より下の土台を担う役割です。この一点を軸に、要件も役割も読み解いていくと、全体がすっきり見えてきます。

この記事では、まず「主任ケアマネとはどんな存在か」を、ふつうのケアマネとの違いから整理します。そのうえで、なるための要件(実務経験・研修・更新)を、公的な情報にもとづいて順番にほどいていきます。さらに、居宅介護支援事業所の管理者や、地域包括支援センターとの関わり、そして「目指す意味」——キャリアや待遇、地域での役割——まで、できるだけやさしい言葉でお伝えします。読み終わるころには、「自分にとって、この道を目指す意味があるか」の見当が、きっとついているはずです。

なお、この記事は主任ケアマネの一段手前にあたる「ケアマネジャーそのもの」を、すでにご存じである前提で進みます。「そもそもケアマネってどうやってなるの?」という段階の方は、先にケアマネジャー(介護支援専門員)になるにはを読んでいただくと、この先の話がぐっと分かりやすくなります。

主任ケアマネの輪郭を、3つのポイントで

細かい話に入る前に、いちばん大事なことを3つ、先にまとめておきます。ここだけ読んでも、おおまかな輪郭はつかめます。

  • 主任ケアマネ(正式には「主任介護支援専門員(しゅにんかいごしえんせんもんいん)」)は、ケアマネのさらに上に位置づけられる役割です。 ほかのケアマネへの指導・育成、難しい事例への支援、地域の関係機関との連携など、「ケアマネを支え、地域のケアをまとめる」立場を担います。
  • なるための中心の要件は、「専任のケアマネとして通算5年以上の経験」+「都道府県が行う主任介護支援専門員研修(およそ70時間)の修了」です。 現在は5年ごとの主任更新研修がありますが、介護支援専門員証の更新制を廃止する改正法が公布されており、今後は研修の形も見直されます。
  • 主任ケアマネは、居宅介護支援事業所の管理者や、地域包括支援センターの配置職種としても、制度上の位置づけを持っています。 つまり、資格そのものが、キャリアの選択肢を具体的に広げてくれます。

この3点を頭のすみに置いて、ここから一つずつ、ていねいに見ていきましょう。

主任ケアマネジャーとは:ケアを「支える側」から支える人

そもそも、ケアマネの上にある役割

介護保険の世界には、利用者さん一人ひとりに合った介護の計画書「ケアプラン」を作る専門職として、**ケアマネジャー(正式には「介護支援専門員」)**がいます。利用者さんの家を訪ね、話を聞き、必要なサービスを組み合わせて、その人らしい暮らしを設計する——それがケアマネの仕事です。

主任ケアマネジャーは、そのケアマネの、さらに上に位置づけられる役割です。ケアマネとしての経験を一定以上積んだ人が、決められた研修を修了することで得られます。イメージとしては、現場のケアマネたちのなかで、経験と知識をもとに「まとめ役・相談役」を担う存在、と考えると分かりやすいでしょう。

大切なのは、これはまったく別の新しい資格を、ゼロから取り直すものではないということです。あくまで、ケアマネという土台の上に積み重ねる、いわば「上級のケアマネ」という位置づけです。ケアマネとして歩んできた道の、その先にある一段だと考えてください。

「支援する」から「支援する人を支える」へ

では、ふつうのケアマネと、主任ケアマネは、いったい何が違うのでしょうか。冒頭でお伝えした、この記事の軸になる考え方を、もう少しくわしくお話しします。

ふつうのケアマネの仕事の中心は、目の前の利用者さんを、直接支援することです。この方にはどんなサービスが合うかを考え、ケアプランを作り、暮らしを見守る。相手は、いつも利用者さんとそのご家族です。

一方、主任ケアマネは、そこに新しい役割が加わります。それは、利用者さんを支えているケアマネ自身を、支えることです。たとえば、経験の浅いケアマネが判断に迷っているとき、そばで助言する。難しいケースを一人で抱え込んでいる同僚に、一緒に考える視点を差し出す。地域の関係機関とのつながりを作り、ケアマネたちが動きやすい環境を整える。

つまり、支援の矢印の向きが一段変わるのです。「利用者さん」を支える人から、「利用者さんを支える人」を支える人へ。この立ち位置の変化こそが、主任ケアマネという役割の、いちばんの特徴です。

なぜ、こうした役割が必要なのか

「利用者さんを直接支えるケアマネがいるなら、それで十分では?」と思うかもしれません。けれど、現場には、一人のケアマネだけでは抱えきれない場面が、確かにあります。

たとえば、家族の間に深い対立があって支援が進まない、医療的なケアと介護がからみあって判断が難しい、虐待が疑われるといった、とても困難な事例です。こうした場面では、経験の浅いケアマネが一人で悩んでも、なかなか出口が見えません。そこで、経験を積んだ主任ケアマネが助言し、ときに一緒に動くことで、支援が前へ進みます。

また、地域には、病院、行政、福祉サービスなど、たくさんの関係機関があります。それらをつなぎ、ケアマネたちが連携しやすいネットワークを育てていく——この地道な役割も、誰かが担わなければ空いてしまいます。主任ケアマネは、その「地域のケアの土台づくり」を受け持つ人でもあるのです。厚生労働省も、主任ケアマネを、ほかの職種との連絡調整や、ほかのケアマネへの助言・指導などを行う存在として位置づけています。

ふつうのケアマネと、どこが変わるのか

ここで、ふつうのケアマネと主任ケアマネの違いを、表にして並べてみます。言葉で読むより、横に見比べたほうが、役割の変化がつかみやすいはずです。

くらべる点ケアマネジャー主任ケアマネジャー
支援の中心目の前の利用者さん利用者さんを支えるケアマネ、地域全体
主な役割ケアプラン作成・調整・見守りほかのケアマネへの指導・育成、困難事例への支援
地域との関わり担当する利用者さんの範囲が中心医療・福祉の関係機関とのネットワークづくり
位置づけ介護支援専門員上級の介護支援専門員(研修修了で得る)
主な活躍の場居宅・施設のケアマネ事業所の管理者、地域包括支援センターなど

こうして見ると、主任ケアマネは、ケアマネの仕事を「やめて」別のことをするのではない、と分かります。ケアプランを作る力を土台にしながら、そこに「人を育てる」「地域をつなぐ」という新しい役割が乗っていく。足し算で広がっていくイメージです。

ひとつ、誤解しないでほしいことがあります。それは、「主任ケアマネのほうが偉い」「ふつうのケアマネより上等だ」という話ではない、ということです。利用者さんに直接向き合い、その暮らしを日々支えるケアマネの仕事には、かけがえのない尊さがあります。主任ケアマネは、その大切な仕事を、別の角度から支える役回りにすぎません。どちらが上ということではなく、役割が違う——そう受け止めていただけたらと思います。

主任ケアマネになるための要件

ここからが、多くの方が知りたい本題です。「では、どうすれば主任ケアマネになれるのか」を、公的な情報にもとづいて、順番にほどいていきます。細かく見えますが、中心となる道は一本です。

中心の道:ケアマネ5年以上+主任研修の修了

まず、いちばん基本となる道からお伝えします。それは、次の2つを満たすことです。

  1. 専任のケアマネジャー(介護支援専門員)として、通算5年(60か月)以上たずさわること。
  2. お住まいの都道府県が行う「主任介護支援専門員研修」を修了すること。

この「専任のケアマネとして5年以上」というのが、中心の条件です(厚生労働省のガイドラインにもとづきます)。ここでいう「専任」とは、おおむね、ケアマネの仕事に専念して従事してきた期間を指します。なお、事業所の管理者とケアマネを兼ねていた期間も、この年数に数えられる取り扱いになっています。

「5年」と聞くと長く感じるかもしれませんが、裏を返せば、主任ケアマネは、現場の経験を積み重ねた人にこそ開かれている道だということです。ほかのケアマネに助言し、困難な事例を支えるには、机の上の知識だけでは足りません。だからこそ、一定年数の実務が土台として求められるのです。

5年以外の、別のルートもある

「5年に少し届かない」という人にも、別の入り口が用意されています。厚生労働省のガイドラインでは、中心の道のほかに、次のような人も研修の受講対象として認められています。

  • 認定ケアマネジャーなどで、通算3年以上の経験がある人。 一定の研修を修了した「認定ケアマネジャー」などにあたる場合は、専任のケアマネとしての経験が通算3年(36か月)以上で対象になります。
  • 地域包括支援センターに、主任ケアマネに準ずる者として配置されている人。 すでに地域包括支援センター(後でくわしく説明します)で、その立場にある人も含まれます。
  • その他、ケアマネの業務に十分な知識と経験があると、都道府県が認めた人。

このように、道は一本だけではありません。ただし、どのルートも、細かな条件や数え方は、都道府県によって運用が異なることがあります。自分がどの要件にあてはまるかは、必ず、お住まいの都道府県の最新の案内で確認してください。 「自分の経験は5年に届いているか」「自分はどのルートで受けられそうか」を、受講を考える前に、都道府県の担当窓口に問い合わせておくと安心です。

主任介護支援専門員研修は、どんな研修?

要件の二本柱のもう一方、「主任介護支援専門員研修」について、もう少しお話しします。

この研修は、合計でおよそ70時間にわたる、しっかりとした内容の研修です。都道府県(またはその指定を受けた機関)が実施します。ケアマネへの指導・育成の方法、地域でのネットワークづくり、困難な事例への向き合い方などを、講義と演習を通じて学びます。時間数が多いため、複数日に分けて、数か月にわたって行われるのが一般的です。

働きながら受ける人がほとんどなので、勤め先の理解を得て、研修に通う日程を確保することが大切になります。近年は、一部をオンデマンド(自分の都合のよい時間に動画で学ぶ形式)で受けられるようにしている都道府県もあります。実施の方法や日程、受講料は、都道府県や年度によって変わるため、こちらもその年の案内で確認してください。

現在は「5年ごとの更新研修」がある——制度変更も決定

ここで、とても大切なポイントをお伝えします。2026年7月17日時点では、主任ケアマネは、現在の制度に沿って**5年ごとの「主任介護支援専門員更新研修」**を受ける必要があります。

一方、2026年6月25日に公布された改正法では、介護支援専門員証の更新制を廃止することと、専門性を保つための定期的な研修を、より柔軟に受講できる形へ見直すことが決まりました。施行日は「法律の公布後1年6か月以内に政令で定める日」で、2027年4月1日に固定されたものではありません。更新制がなくなっても研修自体がなくなるわけではなく、厚生労働省は、一定期間の中での分割受講やオンライン受講などを示しています。

ただし、主任介護支援専門員更新研修を新制度でどう扱うかなど、具体的な運用は今後の政令・省令や通知、都道府県の案内で示されます。新制度の施行までは現在の更新制が続きます。 有効期限が近い人は「もう更新しなくてよい」と自己判断せず、都道府県の最新案内を確認して、現在必要な手続きを進めてください。

主任ケアマネになるまでの流れを、あらためて表に整理しておきます。

段階内容かんたんに言うと
前提ケアマネ(介護支援専門員)になるまずはケアマネ資格が土台
1実務経験を積む専任のケアマネとして通算5年以上(別ルートあり)
2主任介護支援専門員研修を修了するおよそ70時間の研修
3現行制度の更新に対応する現在は5年ごとの主任更新研修。新制度の施行日・運用は今後の公表を確認

居宅の管理者・地域包括支援センターとの関わり

主任ケアマネを目指す意味を考えるうえで、外せないのが「この資格が、どんな場面で必要とされるか」です。実は主任ケアマネは、二つの重要な場面で、制度上の位置づけを持っています。順に見ていきましょう。

居宅介護支援事業所の「管理者」要件

一つ目は、居宅介護支援事業所(きょたくかいごしえんじぎょうしょ)の管理者です。居宅介護支援事業所とは、自宅で暮らす利用者さんのケアプランを作る事業所のことです。その事業所全体をまとめる責任者が「管理者」です。

この管理者について、原則として主任ケアマネであることが求められる仕組みになっています。つまり、「いずれは事業所の管理者になりたい」「自分の事業所を運営していきたい」と考えるなら、主任ケアマネの資格が、その土台として必要になってくる、ということです。

ただし、この管理者要件には、いくつか知っておくべき事情があります。

  • 経過措置(けいかそち)があります。 令和3年(2021年)3月31日の時点で主任ケアマネでない人が管理者を務めている事業所については、その人が管理者である限り、主任ケアマネであることを求める適用を、令和9年(2027年)3月31日まで猶予するとされています(厚生労働省)。急に全員が主任ケアマネでなければならなくなる、というわけではないよう、移行の期間が設けられているのです。
  • 中山間地域などの例外もあります。 主任ケアマネの確保が難しい地域などでは、管理者を主任ケアマネとしない取り扱いが認められる場合があります。
  • 制度は、見直しの検討が続いています。 この管理者要件をめぐっては、経過措置の期限が近づくなかで、今後のあり方が国の場で議論されています。将来、要件が変わる可能性もあるため、最新の情報を確認することが大切です。

いずれにしても、大きな流れとして、居宅介護支援事業所の運営を担う立場には、主任ケアマネが求められる方向にあることは、押さえておくとよいでしょう。

地域包括支援センターの、なくてはならない一員

二つ目は、地域包括支援センターです。少し耳慣れない言葉かもしれないので、やさしく説明します。地域包括支援センターとは、市町村が設ける、その地域の高齢者の暮らしを、まるごと支えるための相談窓口です。介護の相談だけでなく、健康、権利を守ること、暮らし全般の困りごとまで、幅広く受け止めます。

このセンターは、3つの専門職がチームを組んで運営する、という決まりになっています。厚生労働省が定める人員の基準では、次の3職種を、それぞれ原則1人以上、配置することとされています。

  • 保健師(ほけんし)など:健康や医療の面から、地域の高齢者を支える専門職。
  • 社会福祉士(しゃかいふくしし)など:福祉の面から、権利を守り、暮らしの相談にのる専門職。
  • 主任介護支援専門員(主任ケアマネ)など:ケアマネジメントの面から、地域のケアをまとめる専門職。

このように、主任ケアマネは、地域包括支援センターに欠かせない3職種の一つとして、法律にもとづく仕組みのなかに、はっきりと位置づけられています。センターのなかで、地域のケアマネたちを支援したり、困難な事例に対応したり、関係機関との連携の中心を担ったりする——まさに、この記事の冒頭でお伝えした「支援する人を支える」役割そのものが、ここで発揮されるのです。

「地域全体のケアに関わりたい」「一人の利用者さんだけでなく、地域という単位で役に立ちたい」——そんな思いを持つ人にとって、地域包括支援センターは、主任ケアマネの資格が最も生きる場所の一つだといえます。

主任ケアマネを目指す意味

ここまで、要件と、活躍の場を見てきました。最後に、いちばん大事な問いに向き合いましょう。**「そもそも、主任ケアマネを目指すことに、どんな意味があるのか」**という問いです。ここは、数字で割り切れる話ではありません。だからこそ、いくつかの角度から、正直にお伝えします。

キャリアの選択肢が、具体的に広がる

一つ目は、進める道が、はっきりと増えることです。これまで見てきたとおり、主任ケアマネの資格は、居宅介護支援事業所の管理者や、地域包括支援センターの配置職種という、具体的なポジションにつながっています。

ケアマネとして現場で経験を積んだあと、「次にどう進もう」と考えたとき、主任ケアマネは、その答えの一つを用意してくれます。事業所をまとめる立場になる、地域の相談拠点で働く、後進を育てる役割を担う——「現場のケアマネ」の先に続く道が、この資格によって開けてきます。キャリアの行き止まり感を覚えていた人にとって、これは大きな意味を持つはずです。

待遇は「めやす」で捉える——差が大きい部分

二つ目は、多くの方が気になる待遇の話です。ここは、慎重にお伝えしなければなりません。

厚生労働省の「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」では、介護支援専門員(常勤)の平均給与額は月37万5,410円でした。ただし、この調査は主任ケアマネだけを分けた平均を示していません。そのため、この数字から「主任になれば、いくら上がる」と計算することはできません。職場によっては管理者手当や役職手当が設けられていますが、手当の有無も金額も勤務先ごとに違います。

なお、37万5,410円は、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所等を対象に、基本給・手当・一時金(賞与等の6分の1)を合計した月額です。求人票に記載される月給や手取り額ではありません。実際の待遇は、求人票や面接で、基本給・主任手当・管理者手当・賞与を一つずつ確認するのが確実です。待遇の変化は、目指す動機の一つにはなりますが、それがすべてではない——そう捉えておくのが、後悔のない考え方だと思います。

「地域のケアの土台」を担うという役割

そして三つ目、これが最も大きいかもしれません。それは、地域のケアを、より深いところで支える役割を得られることです。

この記事の冒頭で、主任ケアマネの本質は「支援する人を支える」ことにある、とお伝えしました。目の前の利用者さん一人を支えるのも、尊い仕事です。けれど、主任ケアマネになると、その利用者さんを支えるケアマネたちを支え、さらにはケアマネたちが動く地域そのものの土台を、育てていくことになります。

自分が直接手を動かせる範囲には、限りがあります。でも、後輩のケアマネを育て、地域の連携を強くすれば、その先で救われる利用者さんは、何倍にも広がっていきます。「一人を支える」から「支える力そのものを、地域に増やしていく」へ。 この役割にやりがいを感じられるなら、主任ケアマネを目指す意味は、じゅうぶんにあると言えるでしょう。

向いているのは、こんな人

これまでの内容をふまえると、主任ケアマネには、こんな人が向いている傾向があります。あくまで目安として、参考にしてください。

  • 後輩や同僚の相談にのることに、やりがいを感じる人。 人を育て、支えることに喜びを見いだせる人に向いています。
  • 難しいケースから逃げず、粘り強く考えられる人。 困難な事例を、一緒に背負う場面が増えます。
  • 人と人、機関と機関をつなぐのが苦にならない人。 地域のネットワークづくりが、大切な役割になります。
  • 学び続けることに、抵抗がない人。 現在は5年ごとの主任更新研修があり、更新制廃止後も定期的な研修は形を変えて続きます。学びを止めない姿勢が力になります。
  • 現場の経験を、より広い場所で生かしたい人。 積み重ねてきたものを、地域という単位に還元したい人に合う道です。

もちろん、これらにすべて当てはまらなければ目指せない、というわけではありません。「人を育てるのは得意ではないけれど、困難事例に向き合うのは好き」——そんな一部の一致でも、十分にきっかけになります。向き不向きは、実際に役割を担うなかで見えてくる部分も、大きいものです。

最後に:あなたの経験は、誰かを支える力になる

最後に、この記事の要点を、もう一度だけふり返ります。

  • 主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)は、ケアマネのさらに上に位置づけられ、ほかのケアマネへの指導・育成、困難事例への支援、地域の連携を担う役割。
  • なるための中心の道は、専任のケアマネとして通算5年以上+主任介護支援専門員研修(およそ70時間)の修了。認定ケアマネで3年以上などの別ルートもある。
  • 2026年7月17日時点では5年ごとの主任更新研修が必要。介護支援専門員証の更新制廃止は決まりましたが、施行日は公布後1年6か月以内に政令で定められ、定期研修は見直したうえで続きます。
  • 居宅介護支援事業所の管理者(原則、主任ケアマネ。経過措置は令和9年3月まで、見直しの検討が継続)や、地域包括支援センターの3職種の一つとして、制度上の位置づけを持つ。
  • 目指す意味は、キャリアの広がり・待遇(ただし「めやす」で差が大きい)・地域のケアの土台を担うことにある。

この記事の軸にしてきた考えを、最後にもう一度。主任ケアマネという役割の本質は、「自分が支援する」から「支援する人を支える」へと、立ち位置が変わることでした。あなたがケアマネとして積み重ねてきた年月は——迷った夜も、うまくいかなかったケースも、利用者さんの笑顔に救われた朝も——そのすべてが、これから誰かを支えるための、確かな引き出しになります。あなたが現場で学んだことは、あなた一人のものにとどまらず、後輩に、地域に、受け継いでいける財産なのです。

動き出すなら、まずは小さな事実確認から。「自分のケアマネとしての経験は、いま何年になるのか」「お住まいの都道府県では、主任研修をいつ、どんな形で実施しているのか」——このあたりを、都道府県の窓口の案内で確かめてみる。それが、今日できる、いちばん小さな一歩です。ケアマネという資格の全体像をもう一度たしかめたいときはケアマネジャー(介護支援専門員)になるにはを、介護の資格の道すじ全体を見わたしたいときは介護の資格ロードマップを、そして働く場所のほうから次の一歩を考えたくなったら介護の転職の進め方を、それぞれのぞいてみてください。あなたがこれまで支えてきた分だけ、次に支えられる人が、きっと待っています。

よくある質問

主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)とは、どんな存在ですか?

ケアマネジャー(介護支援専門員)の、さらに上に位置づけられる資格です。自分が利用者さんを担当するだけでなく、ほかのケアマネへの助言や指導、困難な事例への対応、地域の医療・福祉の関係機関との連携など、「ケアマネを支え、地域のケアをまとめる」役割を担います。厚生労働省の研修を修了することで得られる資格で、居宅介護支援事業所の管理者や、地域包括支援センターの配置職種としても位置づけられています。

主任ケアマネになるための要件を教えてください。

中心となるのは、「専任のケアマネジャー(介護支援専門員)として通算5年(60か月)以上たずさわったうえで、都道府県が行う『主任介護支援専門員研修』(およそ70時間)を修了する」ことです(厚生労働省のガイドライン)。このほか、認定ケアマネジャーなどで通算3年以上の人や、地域包括支援センターに主任ケアマネに準ずる者として配置されている人なども対象になります。要件の細かな数え方は都道府県によって運用が異なるため、お住まいの都道府県の最新の案内で必ず確認してください。

普通のケアマネと、主任ケアマネは何が違うのですか?

いちばんの違いは「役割の向き」です。ふつうのケアマネが、目の前の利用者さんを直接支援するのに対し、主任ケアマネは、その利用者さんを支えるケアマネ自身を支える立場に立ちます。ほかのケアマネへの指導・育成、判断が難しい事例への助言、地域の関係機関とのネットワークづくりなどが役割に加わります。「支援する人」から「支援する人を支える人」へと、担う範囲が広がるイメージです。

主任ケアマネの資格に、更新は必要ですか?

2026年7月17日時点では、現在の制度に沿って5年ごとの「主任介護支援専門員更新研修」を受ける必要があります。一方、2026年6月25日公布の改正法で、介護支援専門員証の更新制を廃止し、定期的な研修は形を見直して続けることが決まりました。施行日は公布後1年6か月以内に政令で定める日で、2027年4月1日に固定されていません。主任更新研修の新制度での扱いを含む具体的な運用は今後示されるため、施行までは現在の有効期限と都道府県の案内に沿ってください。

主任ケアマネになると、居宅介護支援事業所の管理者になれますか?

むしろ、居宅介護支援事業所(自宅で暮らす人のケアプランを作る事業所)の管理者は、原則として主任ケアマネであることが求められます。ただし、令和9年(2027年)3月31日までの経過措置や、中山間地域などの例外もあり、制度は見直しの検討が続いています。将来、事業所の管理者を目指すうえで、主任ケアマネの資格は一つの土台になる、と考えておくとよいでしょう。

主任介護支援専門員研修は、働きながら受けられますか?

多くの人が働きながら受講しています。研修はおよそ70時間と長く、複数日に分けて数か月にわたって行われるため、勤め先の理解を得て、通う日程を確保することが欠かせません。近年は、一部をオンデマンド(自分の都合のよい時間に動画で学ぶ形式)で受けられるようにしている都道府県も増えています。ただし、実施の方法・日程・受講料は都道府県や年度によって異なります。受講を考えたら、まずはお住まいの都道府県の最新の案内で、次回の実施時期と申し込み方法を確認しておくと安心です。

出典


本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、正確性・最新性を保証するものではありません。 制度や施設の状況は変わることがあります。実際のご判断の前には、各施設・公式情報や公的機関でご確認ください。

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