働き方
男性の介護職|給料・キャリア・現場での悩みと強み、長く働くための地図
朝の申し送りの席を見わたして、「この中で男は自分だけだな」と気づく。ロッカールームがなんとなく肩身がせまい。力仕事があると、まず自分に声がかかる。異性の利用者さんの入浴介助では、丁寧にしているつもりでも、これでよかったのかと後から少し気になる——男性で介護の仕事をしていると、こうした小さな引っかかりが、日々のあちこちに転がっているかもしれません。誰に相談していいのかも分からず、「自分だけがこう感じているのだろうか」と、ひとりで抱えている方もいると思います。
この記事だけの視点を、先にひとつお伝えします。それは、「男性だから」の戸惑いと、「男性だから」の強みは、実は同じところから生まれている、ということです。少数派であることの心細さも、力仕事を頼られる負担も、裏を返せば「頼りにされている」「あなたにしかできない役割がある」というサインでもあります。その両方を知っておくと、目の前のしんどさに飲み込まれず、長く働き続けるための地図を、自分の手で描けるようになります。
この記事では、男性の介護職が置かれている今の状況を公的なデータで確かめたうえで、男性ならではの悩みへの向き合い方、現場で活かせる強み、家族を養う視点でのキャリアの立て方、そして働きやすい職場の見分け方まで、順にお伝えします。読み終わるころには、「この仕事を、自分らしく続けていけそうだ」という手ごたえが、少しでも残ればうれしいです。
「自分だけ」と感じる前に、心にとめてほしい3つのこと

こまかい話に入る前に、いちばん大切なことを3つだけ、先にお伝えします。
- 「介護は女性の仕事」という前提は、もう変わりつつあります。 女性のほうが多いのは事実ですが、男性の割合は年々ふえ、施設によっては男性が珍しくない職場も増えています。あなたは例外ではありません。
- 少数派ゆえの悩みには、ちゃんと理由があります。 ロールモデルの少なさも、力仕事の集中も、異性介助の気づかいも、「気の持ちよう」で片づく話ではありません。まず「そう感じて当然」と認めることから始めて大丈夫です。
- 男性は、長く働いてキャリアを築きやすい立場でもあります。 身体介助や夜勤で頼りにされ、経験を重ねて資格・役職へ進みやすい。家族を養う視点でも、収入を伸ばしていく道はちゃんとあります。
「戸惑いも強みも、どちらも本物」——この前提を持って、まずは今の状況を、数字で確かめていきましょう。
「男性は少ない」は、どこまで本当か

最初に、いちばん気になるところをはっきりさせておきましょう。「介護は女性ばかり」というイメージは、どこまで本当なのでしょうか。
データで見る、男女の割合
公益財団法人 介護労働安定センター(国と連携して介護で働く人の状況をしらべている団体)が毎年行っている「介護労働実態調査」——介護の職場や働く人の実態を大規模にしらべている調査——の令和6年度の結果によると、介護の仕事に就いている人のうち、男性は2割ほど、女性は7割ほどというめやすが示されています(残りは無回答など)。
数字だけを見ると、たしかに女性が多数です。「やっぱり少ないんだ」と感じるかもしれません。でも、ここで大切なのは、この割合が職種によって大きく変わるという点です。
- 訪問介護(利用者さんの家を訪ねて行う介護):女性がとても多く、8割以上を占めるという調査結果が見られます。
- 施設で働く介護職員:男性の割合がこれより高く、職場によっては3割を超えることもあります。
つまり、「介護=ほぼ全員女性」というほど極端ではなく、働く場所によっては、男性がそれなりにいるのが実際のところです。特別養護老人ホーム(常時介護が必要な方が暮らす施設。以下「特養」)のような入居型の施設では、夜勤や身体介助の担い手として、男性が一定数活躍しています。
男性は「じわじわ増えている」
もうひとつ知っておいてほしいのが、介護で働く男性は、少しずつ増えてきているという流れです。
厚生労働省の統計によれば、介護職員の数そのものが長年にわたって増え続けてきました。その中で、かつては「女性の職場」という色合いが濃かった介護に、男性が加わる動きが、年を追って広がってきています。特に、体力を活かせる施設系の現場や、これから紹介するさまざまなキャリアの道を見すえて、男性が入ってくるケースがふえています。
ですから、「自分だけが場違いなのでは」と感じる必要はありません。あなたのように介護の世界に入ってくる男性は、少しずつ、でも確実に増えています。今は少数派に感じても、その流れの中にいる、と考えてみてください。
男性ならではの悩みに、正面から向き合う

数字の上では「決して珍しくない」とはいえ、日々の現場で男性が感じる悩みは、たしかにあります。ここでは、その悩みを一つずつ言葉にして、向き合い方を考えていきます。「気にしすぎ」と自分を責める前に、まずは「そう感じて当然」と受けとめるところから始めましょう。
悩み1:職場で少数派、話せる相手が少ない
女性が多い職場では、男性はどうしても少数派になりがちです。休憩時間の話題に入りにくい、こまやかな悩みを打ち明けにくい、といった心細さを感じることがあります。
まず知っておいてほしいのは、これはあなたのコミュニケーション能力の問題ではないということです。単純に、同じ立場の人が近くに少ないから、というだけの話です。対策としては、同じ職場の男性職員(少なくても、たいてい何人かはいます)とゆるくつながっておく、施設をまたいだ研修などで同じ立場の人と知り合う、といった方法があります。「少数派だからこそ、横のつながりを意識的に作る」——これだけで、ずいぶん気持ちが軽くなります。
悩み2:ロールモデル(お手本になる先輩)が少ない
「この先、男性としてどんなふうにキャリアを積んでいけばいいのか」——それを示してくれる先輩が身近に少ない、という悩みもよく聞かれます。女性の先輩の働き方は参考になっても、家族を養う立場での見通しなど、男性ならではの部分は、なかなかお手本が見つからないことがあります。
ここで頭に入れておきたいのは、介護のキャリアの道すじ自体は、性別に関係なく開かれているということです。介護福祉士を取り、経験を積んで役職につき、あるいはケアマネジャーへ進む——この道は男女で違いません。お手本になる「男性の先輩」が近くにいなくても、道そのものは、この記事の後半でお伝えするとおり、はっきり用意されています。お手本がいないなら、あなたが後輩にとっての最初のお手本になっていく、という気持ちで進んでいけば大丈夫です。
悩み3:力仕事を頼られがちで、体の負担が偏る
移乗(ベッドから車いすへ移す介助)や、体の大きい利用者さんの介助など、力のいる場面で「男性だから」とまず声がかかる。頼られるのは悪くないけれど、そのぶん腰や体への負担が自分に集中してしまう——これは、多くの男性介護職が感じる、切実な悩みです。
大切なのは、力仕事を一人で抱え込まないことです。介護の現場では、体の負担を減らすために、次のような工夫が広がっています。
- 移乗の道具を使う:リフト(利用者さんを持ち上げる機械)やスライディングシート(滑らせて移動を助ける布)など、体に頼りきらずに介助する道具があります。
- 二人がかりで行う:負担の大きい介助は、一人ではなく複数で対応するのが本来の形です。
- 体の使い方を学ぶ:腰を痛めにくい介助の技術(ボディメカニクス)は、研修や資格取得の中で学べます。
「男だから力で何とかする」のではなく、「道具とチームで、体を守りながら支える」のが、長く働くためのコツです。もし力仕事があなたに偏りすぎていると感じたら、それは我慢すべきことではなく、チームで見直すべき配分の問題です。遠慮なく相談してよいところです。
悩み4:異性の利用者さんへの介助に、気づかいがいる
入浴やトイレの介助など、体に触れるケアで異性の利用者さんを担当することに、戸惑いや気づかいを感じる。「不快な思いをさせていないか」「これでいいのか」と、ふと不安になる——これも、男性ならではの悩みとしてよく挙がります。
まず、その気づかいができること自体が、専門職としてとても大切な姿勢だと知ってください。何も感じずに介助する人より、相手の気持ちを想像できるあなたのほうが、ずっとよいケアができます。そのうえで、実際の現場では次のような形で運用されています。
- 利用者さんやご家族の希望に応じて、同性の職員が対応するよう配慮している職場があります。
- 声かけを丁寧にし、プライバシー(見られたくない・知られたくない気持ち)に配慮することが、基本として大切にされています。
- 不安なときは一人で判断せず、先輩やチームに相談するのが正しい進め方です。
異性介助への気づかいは、あなた一人で完璧に解決すべき課題ではありません。職場の体制と、チームでの相談によって支えられるものです。「気にする自分はダメだ」と思わず、その繊細さを、良いケアの土台として活かしていってください。
男性だからこそ活かせる、5つの強み

ここまで悩みを見てきましたが、同じところから生まれる「強み」にも、しっかり目を向けましょう。あなたが現場で果たしている役割は、思っている以上に大きいものです。
強み1:身体介助・移乗で頼りにされる
移乗や、体の大きい利用者さんの介助など、体力や体格が力を発揮する場面で、男性は頼りにされます。もちろん道具やチームで負担を分けることが前提ですが、それでも「いてくれて助かる」と感じられる場面は多くあります。これは、あなたがチームに確かに必要とされている、という何よりの証です。
強み2:夜勤の担い手として重宝される
入居型の施設では、夜勤(夜間の勤務)が欠かせません。夜勤は少人数で施設を見守るため、いざというときに動ける人手が大切になります。男性は夜勤の担い手として重宝されることが多く、これは後で見るように、収入を伸ばす面でも有利に働きます。夜勤手当(夜間に働いたときにつく手当)が、給料の柱の一つになるからです。
強み3:男性の利用者さんとの関係づくり
利用者さんの中には、当然、男性もいらっしゃいます。同性ならではの安心感で、心を開いてくれる方も少なくありません。昔の仕事の話、スポーツの話——男性職員だからこそ盛り上がる話題や、通じ合える感覚があります。異性介助で気づかいがいる場面がある一方で、同性の利用者さんとの関係づくりでは、男性であることが強みになるのです。
強み4:ご家族からの信頼を得やすい場面がある
利用者さんを支えるうえで、ご家族との関係も大切です。力仕事や、しっかりした受け答えが求められる場面で、男性職員がいることに安心感を覚えるご家族もいます。もちろん信頼は性別で決まるものではありませんが、チームに男性がいることで、対応の幅が広がるのは確かです。
強み5:長く勤めて、キャリアを築きやすい
そして、これがいちばん大きな強みかもしれません。介護は、長く勤めるほど経験が力になり、資格や役職でステップアップしやすい仕事です。家族を養う立場で、腰をすえて長期のキャリアを描きたい——そう考える男性にとって、介護は「積み上げが効く」フィールドです。次の章で、その道すじを具体的に見ていきましょう。
家族を養う視点で、キャリアと収入を設計する

「介護は給料が上がらないから、家族を養うのは難しいのでは」——そんな不安を抱えている方は多いと思います。でも、実際には、動き方しだいで収入を伸ばしていく道が、ちゃんと用意されています。ここでは、家族を養うことを見すえたキャリアの立て方を整理します。
収入を伸ばす「3本の柱」
介護で収入を上げていくには、大きく次の3本の柱があります。どれか一つでも、組み合わせても構いません。
1つ目は、資格を上げることです。介護には「無資格→初任者研修→実務者研修→介護福祉士」と段階的にのぼれる資格があり、上の資格ほど給料のめやすが上がる傾向です。特に介護福祉士(介護で唯一の国家資格)は、資格手当がついたり、給料のベースが上がったりする節目になります。資格の全体像と取り方は、介護の資格ロードマップのページでくわしくまとめています。
2つ目は、役職につくことです。ユニットリーダー・主任・施設長といった立場に上がると、役職手当(責任ある立場につく手当)がつき、給料が上がります。長く勤めて経験を積むほど、この道は近づいてきます。
3つ目は、夜勤や働く場所を活かすことです。夜勤に入れば夜勤手当がつき、月収の底上げになります。また、施設のタイプによって給与の傾向が違うため、給与水準が比較的高めとされるタイプを選ぶ、という考え方もあります。
「介護福祉士+役職+夜勤」で見えてくるもの
この3本の柱を組み合わせると、収入の景色は変わってきます。無資格から始めた人が、介護福祉士の資格を取り、夜勤に入り、やがてリーダーや主任といった役職につく——こうして段階を踏むと、月給のめやすは入職時から着実に上がっていきます。
さらに、国が介護で働く人の給料を上げるために事業所へお金を上乗せする「処遇改善加算(しょぐうかいぜんかさん)」という仕組みもあります。この加算が手厚い職場を選ぶことも、収入に関わってきます。
具体的にどれくらい上がるのか、年収をどう伸ばしていくのかは、介護職で年収を上げるにはや、介護職の給料の実際(平均・手取り・上げる方法)のページで、公的データをもとにくわしく解説しています。あわせて読んでいただくと、「家族を養うための収入設計」が、より具体的に描けるはずです。
大切な前提:金額は「めやす」であること
ここでお伝えする収入の話は、あくまで業界の統計をもとにした**「めやす」です。実際の給料は、働く場所・地域・夜勤の回数・持っている資格、そして個人の働き方によって大きく変わります。「この道を進めば必ずこの額になる」という保証ではありません。ですが、収入を伸ばす手立てが用意されていること、そしてそれを男性が活かしやすい立場にある**ことは、確かなことです。焦らず、自分のペースで一段ずつ積み上げていけば大丈夫です。
男性が働きやすい職場を、どう見分けるか

最後に、いちばん実用的な話をします。同じ「介護の職場」でも、男性にとっての働きやすさは、場所によってずいぶん変わります。長く続けるためにも、職場選びのポイントを押さえておきましょう。見学や面接のときに確認したい点を、順にお伝えします。
見るポイント1:男性職員がすでにいるか
すでに男性職員が複数いる職場は、更衣室や休憩の環境、力仕事の分担などが、男性にもなじみやすく整っていることが多いです。同じ立場の人がいれば、悩みを相談しやすく、孤立しにくいという安心感もあります。面接や見学のときに、「男性職員はどのくらいいますか」と聞いてみましょう。数だけでなく、どんな役割で働いているかも分かると、より参考になります。
見るポイント2:体への負担を減らす体制があるか
力仕事があなたに偏りすぎない職場かどうかは、長く働くうえでとても大切です。移乗の道具(リフトやスライディングシート)がそろっているか、負担の大きい介助を複数人で行う体制があるか——このあたりが整っている職場は、体を守りながら働けます。「移乗はどのように行っていますか」「リフトなどの道具はありますか」と聞くと、その職場が体の負担にどれだけ配慮しているかが見えてきます。
見るポイント3:キャリアの道すじが見えるか
家族を養う視点で長く働くなら、収入を伸ばせる環境かどうかは外せません。資格取得の支援制度(受講費用の補助など)があるか、リーダーや主任といった役職への道すじが示されているか——ここが見える職場は、あなたの努力が待遇に結びつきやすい環境です。「資格取得の支援はありますか」「どんなふうにステップアップしていけますか」と、遠慮なく尋ねてみてください。こうした質問は、まじめに長く働きたいという前向きな姿勢として受け止められます。
見るポイント4:異性介助への配慮の考え方
異性の利用者さんへの介助について、職場がどう考えているかも、確認しておくと安心です。利用者さんの希望に応じた配慮があるか、困ったときに相談できる体制があるか。こうした点に丁寧な職場は、職員の気づかいを一人に背負わせず、チームで支える文化があるといえます。
職場選びや、見学・面接での確認のしかたを、もっと体系的に知りたいときは、施設のタイプごとの働き方を横に並べて見比べられる施設タイプ別の「働き方」を比べるページや、施設・職場の基本情報を地域から調べる(求人ではありません)ところから始めてみてください。自分に合う職場のイメージが、少しずつはっきりしてきます。
自分らしく、長く続けるための地図を手に

この記事の要点を、もう一度だけ振り返ります。
- 介護で働く人は女性が多いのは事実だが、男性は2割ほどおり(介護労働実態調査・令和6年度のめやす)、施設系ではもっと高い。そして男性は少しずつ増えている。あなたは例外ではない。
- 少数派ゆえの悩み——話せる相手の少なさ・ロールモデル不足・力仕事の偏り・異性介助の気づかい——には、どれも理由があり、我慢ではなく工夫とチームで向き合える。
- 同じところから、身体介助・夜勤・同性の利用者さんとの関係づくり・そして長く勤めてキャリアを築けるという強みが生まれる。
- 家族を養う視点でも、資格・役職・夜勤・働く場所を活かして収入を伸ばす道がある(ただし金額はめやすで、職場差・個人差が大きい)。
- 働きやすい職場は、男性職員の有無・体の負担への配慮・キャリアの道すじ・異性介助への考え方を見て選ぶ。
この記事の入口に置いた、あの地図の見方を、締めくくりにもう一度なぞらせてください。「男性だから」の戸惑いと、「男性だから」の強みは、同じところから生まれています。 少数派であることの心細さは、裏を返せば必要とされている証。力仕事を頼られる負担は、頼りにされているというサイン。その両方を地図として持っていれば、目の前のしんどさに飲み込まれることなく、自分らしいペースで、長くこの仕事を続けていけます。
今日できる一歩は、とても小さくてかまいません。気になる職場の男性職員の様子を調べてみる、次に取りたい資格をひとつ思い描いてみる、給料を伸ばす道すじにそっと目を通してみる——それだけで、あなたのこれからの地図は、少しずつ形になっていきます。あなたが現場で果たしている役割は、本当に大きなものです。その働きが、長く、正当に報われますように。
よくある質問
介護の仕事は、やっぱり男性は少ないのですか?
介護で働く人は女性のほうが多いのは事実です。公益財団法人 介護労働安定センターの「介護労働実態調査」(令和6年度)では、介護の仕事に就いている人のうち男性は2割ほど、女性が7割ほどというめやすが示されています。ただし、これは職種によって差があります。利用者さんの家を訪ねる訪問介護は女性がとても多い一方、施設で働く介護職員では男性の割合がこれより高くなる傾向です。そして全体として、男性の割合は少しずつ増えてきています。「男性は自分だけ」ということも以前より減り、男性が珍しくない職場も増えています。
男性の介護職は、どんなキャリアを描けますか?
大きく分けて3つの方向があります。1つ目は資格を上げていく道で、介護福祉士(介護で唯一の国家資格)、さらにケアマネジャー(ケアプランを作る専門職)へと進みます。2つ目は役職につく道で、ユニットリーダー・主任・施設長といった立場に上がっていきます。3つ目は、生活相談員や機能訓練指導員など、身体介助以外の専門職へ広げていく道です。介護は年齢や性別で頭打ちになりにくく、経験と資格を積み重ねるほど任される役割と給料のめやすが上がっていく仕事です。長く勤めながらキャリアを築きやすいのは、男性にとっても大きな魅力です。
異性の利用者さんの介助は、どう考えればいいですか?
入浴やトイレの介助など、体に触れるケアで異性の利用者さんを担当することに、戸惑いや気づかいを感じる男性は少なくありません。まず知っておいてほしいのは、多くの職場が「利用者さんの気持ちを大切にする」ことを前提に運用している、ということです。利用者さんやご家族の希望で同性の職員が対応するよう配慮している職場もあります。基本は、声かけを丁寧にする・プライバシーに配慮する・不安なときは一人で抱えず先輩やチームに相談する、という当たり前のことの積み重ねです。気づかいができること自体が、専門職としての大切な姿勢です。
介護の仕事で、家族を養っていけますか?
「介護は給料が上がらない」というイメージが先に立ちがちですが、実際には、資格・役職・夜勤・働く場所の選び方で、収入を伸ばしていく道があります。介護福祉士を取り、夜勤に入り、リーダーや主任などの役職につくことで、月給のめやすは段階的に上がっていきます。さらに国が介護職の給料を上げるために事業所へお金を上乗せする「処遇改善加算」という仕組みもあり、これが手厚い職場を選ぶことも収入に関わります。金額は職場や地域、個人の働き方によって大きく変わるため一概には言えませんが、「家族を養う」ことを見据えたキャリア設計は十分に描けます。
男性が働きやすい介護の職場は、どう選べばいいですか?
いくつかの見るポイントがあります。まず、すでに男性職員が複数いる職場は、更衣室や休憩の環境、役割分担が男性にもなじみやすいことが多いです。次に、力仕事だけを男性に集中させず、移乗の道具(リフトなど)や体制が整っている職場は、体への負担が少なくなります。そして、資格取得の支援制度があり、役職への道すじが見える職場は、長く働いて収入を伸ばしやすい環境です。見学や面接のときに「男性職員はどのくらいいますか」「移乗はどのように行っていますか」「資格取得の支援はありますか」と聞いてみると、その職場の様子が見えてきます。
男性の介護職も、育児休業は取れますか?
取れます。育児休業は、育児・介護休業法という法律で定められた、男女を問わない権利です。介護は女性が多い職場ですが、法律上、男性も同じように取得できます。とくに、子の出生後8週間以内に父親が取りやすい「産後パパ育休(出生時育児休業)」という仕組みもあります。育休の間は給料が出ないのが一般的ですが、雇用保険から「育児休業給付金」が支払われるため、休んでいる間も一定の収入が支えられます。ただ、制度があることと、実際に取りやすい雰囲気があることは別です。「男性で育休を取った方はいますか」と面接や職場で確認しておくと、その職場の受け入れ具合が見えてきます。福利厚生の仕組みは、専用の記事にもまとめています。
出典
- 公益財団法人 介護労働安定センター「介護労働実態調査」 (令和6年度)
- 厚生労働省「介護従事者処遇状況等調査」 (2024年度)
- 厚生労働省「介護職員数の推移」
- 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」 (2025年(令和7年))
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、正確性・最新性を保証するものではありません。 制度や施設の状況は変わることがあります。実際のご判断の前には、各施設・公式情報や公的機関でご確認ください。
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