施設選び
老人ホームの種類と費用一覧|特養・老健・有料・サ高住の違いと選び方
親の入院先や地域包括支援センターから「そろそろ施設も考えてみては」と言われて、あわてて調べ始めた——という方は少なくありません。ところがいざ調べてみると、特養、老健、有料老人ホーム、サ高住、グループホーム……と名前ばかりが並び、「どれが何なのか」「うちの親はどれに入れるのか」「いくらかかるのか」が、まるで見えてこない。退院日が迫っているのに、時間だけが過ぎていく。そんな焦りを感じている方もいると思います。
最初にお伝えしたいのは、**この種類の多さに戸惑うのは、あなたが調べ方を知らないからではありません。**介護施設は、公的な制度と民間のサービスが入り混じり、名前も条件も本当に複雑にできています。専門職であるケアマネジャー(ケアプランを作り介護サービス全体を調整する専門職)や施設の相談員でさえ、はじめから全種類を暗記しているわけではなく、いくつかの「軸」で候補をふるいにかけています。だから、あなたも全部を覚える必要はありません。
この記事では、老人ホーム・介護施設を「入れる人」「費用のめやす」「介護体制」の3点で整理し、そのうえでなぜ種類によって費用や入居条件が違うのかという理由まで、家族の言葉で解き明かします。最後に、**親の状態×予算×希望から候補を2つに絞る「選び分けチャート」**と、見学で確かめる10のチェックポイントをお渡しします。種類の暗記ではなく、「うちの親にはどれが合うか」を自分で判断できるようになることが、この記事のゴールです。ひとつずつ読まなくても、まず比較表とチャートだけ見ていただいてもかまいません。
まず結論:施設選びは「暗記」ではなく「3つの軸で絞る」

こまかい話に入る前に、いちばん大切な要点を先にお伝えします。
- 施設は大きく「公的施設」と「民間の住まい」の2グループ。 公的施設(特養・老健・介護医療院)は費用を抑えやすく入居条件が決まっており、民間(有料・サ高住・グループホームなど)は受け入れの幅が広く費用の差が大きい、という違いがまずあります。
- 絞り込みの軸は3つ。 ①親の要介護度と医療的ケアの必要性 ②毎月払える金額 ③希望(終の住まいか・在宅復帰か・認知症対応か・自由な暮らしか)。この3つを順に当てはめると、8種類が自然と2つ程度に絞れます。
- 費用は「月額の内訳」をそろえて比べる。 同じ「月額15万円」でも、何が含まれるかは施設で違います。家賃・食費・介護費・日常生活費のどこまで込みかを確認しないと、正しく比べられません。
「種類を全部覚えるのではなく、3つの軸でふるいにかける」——この一点を頭に置いて、まずは施設全体の地図から見ていきましょう。
施設は大きく2グループ:公的施設と民間の住まい

種類を1つずつ覚える前に、この「2つのグループ」の分け方だけ頭に入れると、ぐっと整理しやすくなります。
**1つ目は、介護保険で入る公的施設(介護保険施設)です。**特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院の3つで、国の制度にもとづく施設です。入居一時金がなく、費用を抑えやすいのが最大の特徴で、所得が低い方には食費・部屋代の負担軽減もあります。そのぶん、要介護度などの入居条件が決まっていて、人気の施設は入居を待つこともあります。
**2つ目は、民間の事業者が運営する住まい・施設です。**介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)・グループホームなどがこれにあたります。受け入れの幅が広く、比較的早く入りやすい一方、家賃や管理費が費用に乗るため、月額は施設ごとの差が大きくなります。
この2グループを分けているのは、「税金や介護保険で運営を支える公的な施設か」「事業者が土地・建物・サービスを用意する民間の住まいか」という成り立ちの違いです。この違いが、あとで説明する費用や入居条件の差につながっていきます。
なお、このあと「要介護度(ようかいごど)」という言葉が何度も出てきます。これは、介護がどのくらい必要かを市区町村の認定で7段階(要支援1・2、要介護1〜5)に分けたもので、数字が大きいほど必要な介護が重いことを意味します。まだ認定を受けていない場合は、市区町村の窓口か地域包括支援センター(高齢者の総合相談窓口)で申請できます。認定の受け方は介護保険の使い方|サービスを受けるまでの手順でくわしく説明しています。
公的施設(介護保険施設)の3種類|特養・老健・介護医療院

まず、費用を抑えやすい公的施設の3種類から見ていきます。それぞれ「役割」がはっきり違うのがポイントです。
特別養護老人ホーム(特養)
常に介護が必要で、自宅での生活が難しくなった方が、長期にわたって暮らす公的施設です。介護保険法での正式名称は「介護老人福祉施設」といいます。食事・入浴・排せつの介助など、日常の介護を受けながら生活し、看取り(みとり:人生の最期のケア)に対応する施設も増えています。「終(つい)の住まい」になりやすい施設です。
- 入れる人:原則として要介護3以上(公益財団法人 長寿科学振興財団「健康長寿ネット」によると、2015年4月から入居対象が原則要介護3以上に)。認知症や在宅介護が難しい事情がある場合は、要介護1・2でも特例で入れることがあります。
- 費用のめやす:入居一時金は不要。月額 約8〜15万円(相部屋か個室か、所得によって変わります)。
- 向いているケース:介護度が重く、費用を抑えて長く暮らせる場所を探しているとき。
- 注意点:費用を抑えやすいぶん希望者が多く、地域によっては入居待ち(待機)があります。「申し込んでから待つ」前提で早めに動くのが現実的です。待機の考え方は特養の入居待ち(待機)の実際と、待つあいだにできることを参考にしてください。
厚生労働省「介護サービス情報公表システム」の利用料の解説では、特養(要介護5・相部屋の例)の月額が、施設サービス費の自己負担 約26,130円+居住費 約27,450円+食費 約43,350円+日常生活費 約10,000円で、合計およそ10万7千円と示されています(2026年閲覧)。所得が低い方は、次の章でふれる負担限度額認定で食費・居住費が軽くなり、これより下がることがあります。くわしい費用は特別養護老人ホーム(特養)の費用・入居条件にまとめています。
介護老人保健施設(老健)
病院と自宅の「中間」にあたる施設です。入院後などに、リハビリをしながら自宅に戻ることを目指します。医師・看護師・リハビリの専門職が配置され、医療とリハビリが手厚いのが特徴です。健康長寿ネットでも、老健は在宅復帰を目指すリハビリ中心の施設で、入所の目安はおおむね3〜6か月と説明されています。
- 入れる人:要介護1以上(要支援は対象外)。原則として「自宅に戻るための一定期間の入所」で、おおむね3か月ごとに入所を続けるかどうかの判定があります。
- 費用のめやす:入居一時金は不要。月額 約8〜17万円(居室タイプ・所得により変動)。
- 向いているケース:退院後すぐに自宅へ戻るのは不安で、リハビリ期間がほしいとき。
- 注意点:終の住まいではなく、原則は在宅復帰を目指す施設です。「ずっと住み続ける場所」を探している場合は、特養など他の種類も並行して検討します。
介護医療院
長期にわたって医療的な管理が必要な方のための施設です。たんの吸引や経管栄養(けいかんえいよう:チューブで栄養をとること)など、医療の必要度が高い方を受け入れつつ、生活の場としての機能も持っています。医療と長期療養、看取りに対応できるのが特徴です。
- 入れる人:要介護1〜5で、長期の医療的管理が必要な方(要支援は対象外)。
- 費用のめやす:入居一時金は不要。月額 約10〜20万円(医療の必要度・居室により変動)。
- 向いているケース:医療的なケアが日常的に必要で、一般の施設では受け入れが難しいと言われたとき。
民間の住まい・施設|有料・サ高住・グループホームほか

次に、受け入れの幅が広い民間の住まい・施設です。同じ「有料老人ホーム」でも介護の受け方が違うなど、まぎらわしい点があるので、そこを中心に整理します。
介護付き有料老人ホーム
施設の職員から介護を受けられる民間施設です。「特定施設入居者生活介護」という国の指定を受けており、介護は施設の職員が提供します。設備やサービスの幅が広く、比較的すぐ入りやすいのが特徴です。
- 入れる人:施設によりますが、要支援・要介護の方が中心。自立の方が入れる施設もあります。
- 費用のめやす:入居一時金 約0〜数百万円(施設差が大きい)。月額 約15〜30万円(家賃・管理費・食費・介護の自己負担を含む)。
- 向いているケース:特養の待機を待てないとき、設備やケア体制を比べて選びたいとき。
- 注意点:同じ「有料老人ホーム」でも、介護が外部契約の「住宅型」という別タイプがあります(次項)。パンフレットでは「介護付」の表記と、入居時に必要な費用の内訳を必ず確認しましょう。くわしくは介護付き有料老人ホームの費用・特徴へ。
住宅型有料老人ホーム
住まいの部分と介護を分けて考える民間施設です。建物には食事や見守りなどの生活支援が付きますが、介護が必要になったら、外部の訪問介護などと個別に契約して利用します。自立〜介護が軽い方が中心です。
- 入れる人:自立〜要介護の方(施設により幅があります)。
- 費用のめやす:入居一時金 約0〜数百万円。月額 約10〜25万円+利用した分の外部介護サービス費。
- 注意点:介護が重くなると外部サービスの利用が増え、月々の負担が上がっていくことがあります。「介護が進んだときの費用と体制」を入居前に確認しておくと安心です。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
安否確認と生活相談が付いた、高齢者向けの賃貸住宅です。国土交通省によると、サ高住は国交省と厚生労働省の共管制度で、バリアフリー構造を備え、少なくとも状況把握(安否確認)と生活相談のサービスを提供することが登録の基準です。契約は賃貸借契約が基本で、施設というより「住まい」に近い自由度があります。介護サービスが建物内に付く「介護型」と、外部の介護サービスを組み合わせる「一般型」があります。
- 入れる人:要支援・要介護の方が中心(一般型は自立〜軽度の方が中心)。
- 費用のめやす:入居一時金の代わりに敷金(家賃の数か月分が一般的)。月額 約10〜25万円(介護型は介護込み、一般型は+外部の介護サービス費)。
- 向いているケース:まだ介護は軽いけれど、ひとり暮らしの見守りが心配なとき。自由度の高い暮らしを保ちたいとき。
- 注意点:介護が重くなったときに住み続けられるかは、建物内の介護体制によって差があります。「要介護が進んだらどうなるか」を契約前に確認しましょう。仕組みはサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の費用・仕組みにまとめています。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
認知症のある方が、少人数(1ユニット9人以下)で家庭に近い環境で共同生活する施設です。職員のサポートを受けながら、料理や掃除など、できることは自分で続けるケアが特徴です。原則として地域密着型で、施設と同じ市区町村に住民票がある方が対象になります。
- 入れる人:医師から認知症の診断を受けていて、原則として施設と同じ市区町村に住民票がある、要支援2・要介護1〜5の方(要支援1は対象外)。
- 費用のめやす:入居一時金 約0〜数十万円。月額 約12〜20万円(家賃・食費・介護費を含む)。
- 注意点:「住民票が同じ市区町村にあること」という地域の条件があります。離れて暮らす親を呼び寄せる場合は、住民票を移してからの申し込みになることが多い点に気をつけてください。認知症のある方の施設全般は認知症の人に合う施設の種類と選び方もあわせてどうぞ。
そのほか:ケアハウス(軽費老人ホーム)など
上記のほか、所得に応じた費用で入れる公的色の強い住まいとして、ケアハウス(軽費老人ホーム)があります。自立〜軽度の方が中心で、月額 約6〜17万円がめやす。介護型のケアハウスは要介護の方も対象です。年金の範囲で入れる施設を探している場合は、年金で入れる介護施設はある?も参考になります。
費用と入居条件のはやわかり比較表

ここまでの種類を一覧にまとめます。金額はいずれも一般的なめやすで、施設・地域・居室のタイプ・所得によって大きく変わります。とくに民間施設は幅が大きいため、最後は必ず個別の施設で確認してください。
| 種類 | グループ | 入居一時金のめやす | 月額のめやす | 主な入居対象 |
|---|---|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 公的 | 不要 | 約8〜15万円 | 原則要介護3以上 |
| 介護老人保健施設(老健) | 公的 | 不要 | 約8〜17万円 | 要介護1以上(在宅復帰が目的) |
| 介護医療院 | 公的 | 不要 | 約10〜20万円 | 要介護1〜5・長期の医療管理が必要 |
| 介護付き有料老人ホーム | 民間 | 約0〜数百万円 | 約15〜30万円 | 要支援・要介護中心(自立可の施設も) |
| 住宅型有料老人ホーム | 民間 | 約0〜数百万円 | 約10〜25万円+外部介護費 | 自立〜要介護(施設により幅) |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 民間 | 敷金(家賃数か月分) | 約10〜25万円(一般型は+外部介護費) | 要支援・要介護中心(一般型は自立〜軽度) |
| グループホーム | 民間 | 約0〜数十万円 | 約12〜20万円 | 要支援2以上+認知症の診断+同一市区町村 |
| ケアハウス(軽費老人ホーム) | 公的色 | 施設による | 約6〜17万円 | 自立〜軽度中心(介護型は要介護も) |
月額の内訳は、公的施設なら「介護保険の自己負担(1〜3割)+居住費+食費+日常生活費」、民間なら「家賃+管理費+食費+介護の自己負担+日常生活費」が基本形です。パンフレットの「月額」にどこまで含まれているかは施設によって違うため、比べるときは内訳をそろえて見るのがコツです。入居一時金の意味や返還ルールは入居一時金とは?仕組みと返還ルールでくわしく説明しています。
なぜ種類で費用・入居条件・介護体制が違うのか

比較表を見ると、「同じ老人ホームなのに、どうしてこんなに違うの?」と感じたと思います。実はこの違いには、はっきりした理由があります。ここが分かると、表の数字が「丸暗記するもの」から「納得して選ぶ材料」に変わります。
**理由1:運営の成り立ちが、費用の差を生む。**公的施設(特養・老健・介護医療院)は、税金と介護保険で運営を支える公的な位置づけです。だから入居一時金がなく、食費や居住費にも所得に応じた負担軽減の仕組みがあり、費用を抑えやすくなっています。一方、民間の施設は、事業者が土地・建物・人・サービスを自前で用意します。その家賃や管理費が費用に乗るため、月額が高めになり、施設ごとの差も大きくなります。「安い=サービスが悪い」でも「高い=手厚い」でもなく、成り立ちの違いが価格の土台をつくっているのです。
**理由2:施設の「役割」が、入居条件を決める。**入居条件がばらばらに見えるのは、施設ごとに担う役割が違うからです。特養は「常時介護が必要な人が長く暮らす生活の場」だから原則要介護3以上。老健は「在宅復帰のためにリハビリする場」だから期間が区切られ、要介護1以上。グループホームは「認知症のある方が地域で少人数で暮らす場」だから、認知症の診断と、地域密着(住民票のある市区町村)が条件になります。条件は意地悪で決まっているのではなく、その施設が何のための場所かを映している——そう考えると、「うちの親の状態は、どの役割の施設に合うか」で見当がつけやすくなります。
**理由3:介護を「誰が提供するか」で、体制が変わる。**ここは特に見落とされがちな、大事な違いです。特養や介護付き有料老人ホームは、施設の職員が介護を提供します(施設サービス・特定施設)。一方、住宅型有料老人ホームやサ高住の一般型は、住まいに生活支援は付きますが、介護そのものは外部の訪問介護などを組み合わせて利用する形です。この違いは、親の介護が重くなったときに効いてきます。前者は施設内で介護が完結しやすく、後者は「介護が進んだら住み続けられるか」「外部サービスの費用が増えないか」を、入居前に確かめておく必要があります。
この3つの理由——成り立ち・役割・介護の提供者——を押さえておくと、パンフレットの数字や条件を見たときに「なぜそうなっているか」が読めるようになります。次の章では、この視点を使って、実際に候補を絞る手順に進みます。
親に合う種類を絞る「3ステップの選び分けチャート」

種類の知識がそろったら、次の3つの軸を順番に当てはめて絞り込みます。この順番でふるいにかけると、8種類が自然と2つ程度まで減ります。この記事でいちばん持ち帰ってほしい部分です。
軸1:要介護度と医療的ケアで「入れる種類」を絞る
まず「いま入れる種類はどれか」を確認します。ここがいちばん強いふるいです。
- 要介護3以上で費用を抑えたい → 特養が候補に入る。
- 退院後にリハビリで在宅復帰を目指す → 老健。
- たんの吸引など医療的ケアが常時必要 → 介護医療院や、看護体制の手厚い施設。
- 認知症があり落ち着いた少人数がよい → グループホーム。
- 認定がまだ・介護は軽い → サ高住・住宅型有料・ケアハウス。
認定をまだ受けていないなら、施設探しと並行して申請を進めてください。要介護認定の受け方も参考になります。
軸2:毎月払える金額を先に決める
施設の暮らしは何年も続くことがあります。入居一時金だけでなく、「月額×想定年数」で考えるのが現実的です。年金と貯蓄から毎月いくらまで出せるかを先に決めると、公的施設中心でいくか、民間も含めるかが決まります。所得が低い場合は、次章の負担軽減制度も含めて計算します。
軸3:希望(終の住まい・在宅復帰・認知症・自由な暮らし)で最終候補にする
同じ状態・予算でも、ご本人と家族の希望で選ぶ種類は変わります。「ずっと住み続けたい」なら特養や介護付き有料、「まず在宅復帰を目指したい」なら老健、「自由な暮らしを保ちたい」ならサ高住、というように、希望を最後の決め手にします。
3つの軸を当てはめた結果を、早見表にまとめました。親の状態・希望に近い行から、まず検討する種類が分かります。
| 親の状態・希望 | まず検討する種類 |
|---|---|
| 要介護3以上・費用を抑えて長く暮らしたい | 特別養護老人ホーム(特養) |
| 退院後にリハビリして在宅復帰を目指したい | 介護老人保健施設(老健) |
| たんの吸引など医療的ケアが常時必要 | 介護医療院・看護体制が手厚い施設 |
| 認知症があり、落ち着いた少人数がよい | グループホーム |
| 手厚い介護をすぐ受けたい・特養を待てない | 介護付き有料老人ホーム |
| 介護は軽いが、ひとり暮らしの見守りが心配 | サ高住・住宅型有料老人ホーム |
| 所得を抑えたい(自立〜軽度) | ケアハウス(軽費老人ホーム) |
種類が2つ程度に絞れたら、通いやすい地域にどんな施設があるかを、厚生労働省「介護サービス情報公表システム」で地域とサービス種類から検索できます。地域ごとの施設数の差は都道府県別の介護施設数・定員一覧でも確認できます。選び方の全体の進め方は介護施設の選び方|後悔しないための進め方にまとめています。
見学で確かめる10のチェックポイント

候補が絞れたら、最後は必ず見学して、パンフレットでは分からない部分を自分の目で確かめます。以下は、家族が見学時に確認したい10のポイントです。スマートフォンにメモして持っていくと、複数の施設を同じ物差しで比べられます。
- 月額に何が含まれるか(家賃・食費・介護費・日常生活費)の内訳
- 入居一時金の有無と、途中で退去したときの返還ルール
- 要介護が重くなったとき、住み続けられるか
- 医療的ケア(たんの吸引・胃ろうなど)や看取りへの対応
- 夜間の職員体制(何人で入居者をみるか)
- 認知症のある方への対応の実績や、専門職の有無
- 食事の内容(できれば試食)と、入浴の回数
- 居室・共用部の清潔さ、においや音の様子
- 職員と入居者の表情、声かけのやりとり
- 家族の面会・外出のしやすさと、緊急時の連絡方法
とくに3〜5番は、「なぜ種類で介護体制が違うのか」の章で見た介護の提供のしかたに直結する、いちばん大事な確認事項です。見学の進め方や質問のしかたは施設見学のポイントと当日の流れに、入居が決まってからの手続きは入居までの流れにまとめています。この10点なら、見てきた内容を家族に3分で共有できるはずです。
費用を抑える公的制度と、ひとりで抱えないための相談先

最後に、費用を抑える制度と、無料で頼れる相談先をお伝えします。施設選びは、情報の多さのわりに、相談できる相手が少ないと感じやすいものです。ひとりで抱え込まないでください。
知っておきたい費用の軽減制度は2つあります。1つは負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)で、特養・老健・介護医療院などで、所得の低い方の食費・居住費が軽くなる制度です。住民税非課税であることに加え、預貯金などの資産の要件があり、申請先は市区町村です。もう1つは高額介護サービス費で、介護保険の自己負担(施設の食費・部屋代は除きます)が月の上限額を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です(厚生労働省「介護サービス情報公表システム」の利用料の解説でも、所得に応じた負担軽減の措置として説明されています)。どちらも「申請しないと使えない」制度です。とくに特養では、負担限度額認定が使えるかどうかで月額が数万円変わることがあるため、施設の相談員や市区町村の窓口で確認してみてください。くわしくは負担限度額認定|食費・部屋代が安くなる制度へ。
**相談先も、無料で使えるところがそろっています。**次のいずれも費用はかかりません。
- 地域包括支援センター:お住まいの地域ごとにある高齢者の総合相談窓口。施設の種類選びの段階から相談できます。
- ケアマネジャー(介護支援専門員):すでに介護サービスを使っている場合は、担当のケアマネジャーが施設探しの相談に乗ってくれます。
- 入院中の病院の相談室(医療ソーシャルワーカー):退院後の行き先を探している場合は、院内の相談室が地域の施設情報を持っています。
急いでいるときほど、「①要介護度と医療で入れる種類を絞る → ②毎月払える金額を決める → ③希望で候補を2つに絞る → ④地域で探して見学で確かめる」という順番が、結果的にいちばんの近道になります。種類の多さに圧倒されなくて大丈夫です。この記事の比較表と選び分けチャートが、その最初の一歩の地図になれば幸いです。ご家族が納得して選べますように。
よくある質問
老人ホームには何種類ありますか?
大きく分けると、介護保険で入る公的施設(特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院)と、民間の住まい(介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・グループホーム)、そのほかケアハウスなどがあります。名前の数は多いですが、家族が実際に選ぶときは「親の要介護度・認知症の有無・医療的ケアの必要性」と「毎月払える予算」で入れる種類が絞られるため、全部を覚える必要はありません。
いちばん費用が安い老人ホームはどれですか?
一般的なめやすでは、公的施設(特養・老健・介護医療院)が費用を抑えやすい種類です。入居一時金がなく、月額も相部屋なら十数万円以内に収まることが多いためです。とくに特別養護老人ホームは、所得が低い方だと食費・部屋代が軽くなる負担限度額認定を使える場合があります。ただし特養は原則要介護3以上で、地域によっては入居を待つことがあります。費用だけで決めず、入れる条件とあわせて考えるのが安全です。
特養と有料老人ホームの違いは何ですか?
特別養護老人ホーム(特養)は税金や介護保険で支えられる公的な施設で、原則要介護3以上の方が長く暮らす「生活の場」です。入居一時金がなく費用を抑えやすい一方、希望者が多く入居を待つことがあります。介護付き有料老人ホームは民間の施設で、受け入れの幅が広く、比較的すぐ入りやすい反面、家賃や管理費が費用に乗るため月額は高め(およそ15〜30万円)で、入居一時金がかかる施設もあります。
要介護認定を受けていなくても入れる施設はありますか?
あります。サービス付き高齢者向け住宅(一般型)、住宅型有料老人ホーム、ケアハウスなどは、自立〜介護が軽い方も入居できる施設が多くあります。一方で、特養(原則要介護3以上)やグループホーム(認知症の診断+要支援2以上)のように、入居条件が決まっている種類もあります。認定をまだ受けていない場合は、施設探しと並行して市区町村の窓口や地域包括支援センターで申請を進めておくと、選べる種類が広がります。
認知症の親に合う施設はどれですか?
認知症のある方の住まいとしてまず候補になるのは、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)です。少人数で家庭に近い環境で暮らし、認知症ケアに慣れた職員が支えます。ただし、医師の診断と、原則として施設と同じ市区町村に住民票があることが条件です。認知症が重く常時介護が必要な場合や、医療的なケアがある場合は、特別養護老人ホームや、看護体制の手厚い介護付き有料老人ホーム、介護医療院なども選択肢になります。
施設選びは、まず何から始めればいいですか?
最初にやることは「親の要介護度と、医療的ケアがどのくらい必要か」の確認です。これで入れる種類がかなり絞れます。次に、年金と貯蓄から毎月いくらまで出せるかを決め、種類を2つ程度にしぼります。そのうえで、通いやすい地域で候補を数件見学し、月額の内訳や介護体制を確かめる——この順番が遠回りしません。迷ったら、地域包括支援センターやケアマネジャー、入院中なら病院の相談室に無料で相談できます。
出典
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、正確性・最新性を保証するものではありません。 制度や施設の状況は変わることがあります。実際のご判断の前には、各施設・公式情報や公的機関でご確認ください。
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